「touch of sin」罪の手ざわり ssspkkさんの映画レビュー(感想・評価)
touch of sin
冒頭の回り込みレール撮影から、というかバナナの葉のタイトルバックからして、もうこれまでと違う。単純に言ってすごーく構図とか編集とかが上手くなっていて、で俳優も職業俳優になっていて、やっぱり中国はエッジだなと感動すると同時に、大好きだった垢くさいフレッシュさが後退して、洗練されてしまった感も覚えてしまう。舞台は相変わらず長江流域で、重慶、宜昌あたり。長江くだりの船が出ている重慶の船着場や、対岸から眺める重慶の高層ビル群が懐かしい。ブルズのニットキャップに、皮ベストの射殺魔が、重慶銀行から出てきた夫婦から強盗するシーンが素晴らしい。バックをひったくるのではなく、射殺して奪う。ファベーラ顔負けのバイオレンス度。ガンエフェクト他、VFXもハイクオリティ。チャオタオ、ワンホンウェイら常連がでてくる第3部の、軽トラの荷台を改造した見世物小屋の、蛇と美少女との邂逅シーンの素晴らしさ。一瞬の夢の頃からおっさん臭く年齢不詳だったワンホンウェイのおっさん度に磨きがかかった感じも素晴らしい。第4部はかなり蛇足。でも、思い出すのは百年恋歌のスーチーの部で、中国は、台湾の自由な感じを掴みつつあるという印象。接待係の女の子は、今後ジャジャンクーの次世代ミューズになりそうな予感がした。
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