「曲芸コント。」R100 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
曲芸コント。
前作でちょっとストーリー性を出したように思えたが、
今作はまたこの世界観に戻ってきたんだ?という感じで
やはりこの人が作り出すものは「映画」でなく「曲芸」だと思う。
芸人だからネタには事欠かないし、奇想天外な場面展開も
それなりに斬新感はあるけど、これがお笑いなら容認しても、
やはり映画というにはお粗末に見える。
まぁ確かに、100歳近い(あるいは過ぎた)外国人映画監督が
「何だこれ?」な映画を撮っているのは観たことあるんだけど、
内容が総てにぶっ飛んでいるから、サッパリ理解できない。
映倫とかそんな次元を超越し境界ギリギリのところで生きて
いると、こういう映像も作れるのか~と思うに至ったけど…。
今作はそれとはワケが違う。
ワザとSMを変わった趣向で描いているので、Mである大森が
いたぶられて快感~の顔(ダンカンみたい)になるのがしつこい。
女王様女優達がそれぞれ悦に入って演じているのはいいけど、
どうなの?これ。と思うような人物や描写も入っていたりで、
このあたりは大いに狙った企画なんだろうなと勘付いてしまう。
観客の反応観たさに見世物感を前に出してしまうとつまらない。
コントの〆が映画で効くか実験してるのだろうか。
平坦な板の上にSMネタが次々並べられ、中盤~真相ばらしと、
悦に入っている老監督の至福の表情が何度も映し出される。
映画は監督のものなので、どうあろうとOKが出ればいいのだが、
いちばんの皮肉は、松本監督の作品がこうして公開され続けて
いる事実だったりしないのかな。本人も遊んでいたりしてね。
私的には冨永愛がベストなカッコ良さだった。
(映画を作るのなら、若手監督に出資してあげればいいのにと思う)