「揺れてない。」R100 yuki-yo@ybfbwさんの映画レビュー(感想・評価)
揺れてない。
男が通い始めたSMクラブは、
日常の生活に現れてはプレイを始める、特殊なクラブであった…。
だいたい、そんぐらいの話。
とある仕掛けもあるのだが、そこは、秘密。
「これは監督のマスターベーションじゃないか」って表現が、
時折、あるじゃないですか? 批評として。
おー、好き勝手にやっとるなぁー。みたいな。
この映画って、そんな「マスターベーション」の映画なのです。
そこへ真っ向から挑んでおるわけで、
不謹慎だとか悪影響だとか云われるエンタメへの批判に対するアンチテーゼ、
でもあるのだろーな。
なので、コレってSM? とゆー部分もあり、
そっち関係のヒトに怒られやしないか、少し心配でもあります。
今作は、いままでの松本人志監督作の中でも、いちばんマトモに出来てるんじゃ、ないのかな。
彼特有の異常性が、
存在感のあるキャストを揃えたことで、だいぶ拡散されている。
ザラザラと荒れた画の色や、小物のこだわりなども、良かったとおもふ。
『さや侍』ほどではないが、フツーへ寄ってきている。
寄ってきているので、フツーに詰まらない映画となった。
個人的な感想と評価で云わせてもらうと、
面白くなかったし、好きにもなれない映画であった。
解らないのではなく、
観たことのあるものばかりで、想像を越えず、刺激もなかった。
しかし、
点数で0点をつけられるよーなモノではない。
点数をつけられる類のモノではない。
※点、とゆー表記が、これほど似合う作品も珍しいだろう。(ここでは一応、一点につけておきました。)
それぐらい扱いが厄介な、個性的な作品、ではある。
あとは、おもしろければなぁ…。
子供が縛られてるのと、ツッコミが入るところは、クスッと笑えましたけど。
気になったのは、音楽の使い方がとにかくヘタクソ。
意図は伝わるにしても、微妙に全部ズレてる。
そこはもっと軽いほうがー、とか、ここは繋げたほうがー、とか。
音量で誤魔化そうともするし。
ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの曲の二回目は、もっと長くないと、とか。
それとダメエイガお約束の、説明台詞。
前田吟のセリフとか、ヒドかったなー。
自分がどんな気持ちだとか、何をしたいとか、全部喋って説明してくれんの。
しかも、それだけじゃない。
ついに、映画の「意味」まで説明を始めたりして、逆にオモシロかったけどな。
もードコまでも言い訳を重ねて、逃げるつもりだな、と。
タイトルからして、すげー予防線だもんな。
R-100。
そんな、
松本人志のマスターベーションについて、興味がある方には、楽しめるとおもいますよ。
揺れてる?
揺れてねーよ。