「史上最高の続編」エイリアン2 完全版 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
史上最高の続編
エイリアン・シリーズ第2作の完全版。
DVDで3回目の鑑賞(吹替)。
劇場公開版から20分も長くなっているとは言え、冗長さが一切無いままに物語が進んでいく。2時間半があっと言う間に感じた。楽しい時間は瞬く間に過ぎてしまうものだ。
本作が完璧な続編であることは、世界共通認識と言っても過言では無い。終始ホラー・テイストだった前作とは打って変わり、エイリアンの群れと戦う超弩級のサバイバル・バトル・アクションへのスケール・アップが巧みで素晴らしい。とにかく全然毛色が違う。世界観を広げたことは大いなる功績だ。前作と同じことをしていたら、ここまで成功しなかっただろう。
LV‐426到着直後、エイリアンの群れに襲撃された宇宙海兵隊員たちがバタバタ死んでいく様子を、監視モニターの心電図の音で表現しているのが上手い。緊迫感も出るし、現場が混乱していく様子を巧みに演出している(最近だと、「ジュラシック・ワールド」でオマージュされていた)。
墜落する輸送機の惨事や装甲車でのハラハラ大脱出、核融合施設の大爆発(核融合はメルトダウンしなかった気がする、とは敢えて言わないでおこう)を表現する特撮が素晴らしい。ワイヤーが映ってしまうのはご愛敬だ。やっぱり炎はCGより本物の方が断然迫力があっていいものだなと感じる。
核爆発が迫る中、ニュート救出のためパルスライフルと火炎放射器をマジックテープで結わえ、エイリアンの巣に飛び込むリプリーの勇ましさったらない。母性には何者も敵わない。
ニュートを守るために決死の覚悟で戦うリプリーと、エッグを焼き尽くされたことで怒り狂ったエイリアン・クイーンとの死闘が激烈で、母性対母性の対決に手に汗握った。
パワーローダーに乗ったリプリーとクイーンの一騎打ちは、何度観てもハラハラ・ドキドキさせられる。CGでは無い実物の持つ重厚さがたまらない。迫力も申し分無かった。
本作はシリーズでも突出した面白さを誇っている。「続編づくりの名人」の異名をとるジェームズ・キャメロン監督の、まさに面目躍如。さすがの一言に尽きる名作だ。
[追記(2019/06/12)]
バージョン関係無く指摘されることとして、真っ二つにされたビショップが吹き飛ばされたニュートを捕まえるシーン、ランス・ヘンリクセンの下半身の入った穴が見えてしまっていると云うのがあるが、ブルーレイでは修正済みだった。
[以降の鑑賞記録]
2019/06/12:Blu-ray(吹替)
2019/12/01:Blu-ray(吹替)
2024/09/08:Blu-ray(吹替)
※修正(2024/09/08)