東京難民のレビュー・感想・評価
全12件を表示
心にささる言葉もある
高橋優の旅人を聴きたくて観賞しました。
終始主人公の見通しの甘さ、子供っぽさが際立ちますが、それを中村くんがうまく表現していたと思います。
とにかく、一度転落してしまうと日本の社会ではなかなか這い上がれない。やる気があっても大学除籍、住所不定無職の主人公はまともな職につけません。世の中にも色々な理由があって職場を短期間で退職してしまったら、無職期間が長かったら、就職活動に影響してしまった人がたくさんいると思います。一度レールを外れてしまった人にはぐっとくる映画でしょう。
ただ、この主人公、心根は腐っていない。
途中、ホストクラブの店長にボコボコにされるシーンがありますが、店長の複雑な気持ちの中に「お前みたいなやつは裏の世界にくるな」という情のようなものを見て取れました。そんな主人公のまっすぐさがどうラストにつながるのかと思っていたら……なぜ父親を探すのか、探してどうするのかがよくわかりませんでした。。ちょっとラストは納得いかず、旅人 もしっくりきませんでした。
カネと性と暴力に翻弄されてしまう
『東京難民』(2014)
Amazonプライムにて。お金を持っているというレールから外れるとどうなっていくのかという問題作。主人公の大学生(中村蒼)に内容証明の封筒が届き、サインしただけで起きっぱなしにしていた。大学の教室に入るためのカード認証が効かず、教務課に行くと、除籍になったという。父親がパブの女と出奔したのか、仕送りがすべて途絶え、住居からも追い出され、アルバイトでも追い付かず、ネットカフェに泊まることになる。『ネットカフェ難民』になった。パチンコに失敗し、古着屋に出しても安くしかならず、0円で置いてある職業探し雑誌をベンチでみる。スマホの電源が切れる。
座ってカップ麺をすすりながらデパートの隅で充電すると警備員に制止され、別のネットカフェに泊まる。そこで職探しをする。行ったのはブラックバイト気味。ここまで非情な事が現実にも続いてしまうのかというくらい連発される。バイトの怪しい先輩が、ネットカフェに泊まっている人はまだ良いほうで、24時間営業のカフェで150円のハンバーガーで泊まって粘っている人達がいるという
。次に治験バイトというのに移る。三食付きでベッドで休憩時間は寝ることが出来て、日給2万円。
俺にもツキがやってきたと楽観してしまう主人公だが、テレビでネットカフェ難民の特集をみて、本人が取材されて出ていたのを観てしまい、何言ってんだよとテレビを消す。大学生時代の軽く授業を昼寝したり、パチンコでも大儲けになったり、合コンしていた頃の思い出がよみがえる。治験バイトが終了し、給料をもらうとにっこりする。今日だけはうまいものを食べようと歩いていると、警官が2人やってきて、どんどん誤解していき、警察署に連れていかれる。警察官が悪役として出てくる。そこで頭に来ていたところ、女が現れて飲みに行こうとバーに行く。何か所も連れていかれて、その都度主人公が支払う。オンナのサクラにぼったくられてしまうという展開なのか。それとも、ホストクラブに連れていかれたため、ホストになってしまうのか。どこまで警戒感がなく失敗してしまう男なのか。お会計が、実に268000円。オンナは男にたかって飲み代たかっているという人物。
治験バイトの全部がとられて、赤字1万円。ぼったくられた。土下座して勤めさせてくれと頼むと、
怪しいマネージャーが試してみるかと言ってくれる。だが怪しい。最初に渋っていた先輩たちの部屋に行く。ホスト初日。飲まされて便所で吐く。店の売り上げ100万円の酒だったという。でも自分たちの売り上げにはならないという。それでも少し情けのあるホストの先輩役に、中尾明慶。他にもナースがホストクラブに来ると、主人公はお金を使わせないように気を使うが、怪しいマネージャーに言われて、ソープ嬢にしてやってもいいから稼げという。清純そうなナースが転落させられていくような、不気味な展開である。演じた大塚千弘の演技が悲しい予感である。だがナースも主人公に入れあげていたのだろう、積極的にホテルに誘い、ベッドに誘い、主人公の上にのって性行為をする。そして、先輩の女の借金をナースに頼み、100万円を得たりする。浮かない顔の主人公ではあるが。ナースも貞淑な女でもなく、困った状況だった。何シーンかのセックスシーンが出てきて、ナースの女も悪女化していく。マネージャーはナースを風俗嬢に落とし込むまで金を払わせる意図である。悩む主人公。中尾明慶演じた男は100万円を盗んで消えて、それらのきっかけになった山本美月演じるたかる女は、怪しい怖いマネージャーに見つかり、青柳翔演ずる先輩ホストと主人公と共に、200万で風俗嬢に売られることになる。どこまでもカネと女と汚い絶望的な転落が描かれ続ける。だがこの3人で逃げる計画を立てる。この逃走で3人で笑うシーンが汚く怖い世界の中の清涼剤の感じもした。だが、追手が迫ってくるのが予感される。ナースとの関係はどうなったのかともふと考えたりする。ホストを抜けた主人公と先輩ホストは建設業者に入る。ここでも、紹介した先輩ホストの先輩も抜け出してしまったという。この二人の仲介料をもとに辞めてしまったのだ。仕事は重労働で厳しく、だが土工の中年の先輩たちが優しかった。主人公は、「生きるために必要なものってなんなんですかね」とつぶやく。ナースに久しぶりに会うと、100万円はきキャッシングだった。お金返してよ。怒られて、ナースの前で雨の中、主人公は土下座する。無言で背を向けるナース。先輩ホストは田舎に帰ろうとする矢先に、怖いマネージャーに見つかってしまう。この悪役が金子ノブアキ。叫ぶ元ホストの先輩。主人公は先輩元ホストを許してくれとホストクラブに戻る。中尾明慶の役も連れ戻され、廃人のようになってしまった。これでは完全に犯罪者なのだが、怖いマネージャーは、どうせもう身体が助からない男だ。アル中から頭と肝臓をやられている。保険金を中尾の役にかけたから、暗殺しとけと命じる。だが、元ホストの先輩は人間性を失わずに逆らう。と思ったら、殺してしまう。と思ったら、出来なかった。ここまで部下が人間らしさがあるのに、ひどい悪役のマネージャー。まさに上が悪いと全体が狂って来る。元先輩は外国でヤクの運び屋をして金を作ることで許されるが、主人公は、マネージャーに殴られて蹴られるが、外国に行ってもなにか危険らしいセリフを言い、ガキが首つっこんでんじゃねえよ。と言われる。どこまで怖いネットワークなんだろうか。(後で思うと、怖いマネージャーが、主人公は元ホストの先輩と一緒にさせなかったのは、主人公のためにも思いやりだったのかも知れず、複雑な心情だ)だが、雨の中、最初のシーンが戻るのだが、部下たちが、川に投げ込みますかというと、マネージャーが「こいつはもう終わっている、ほうっておけ」と言われて、半殺しにされて足を洗うようなことになる。ナースに続き、元ホストの先輩もどうなるのか。主人公は殴られて記憶喪失になってしまったらしい。ホームレスのような人達に助けられる。ホームレスのような人達と缶拾いの仕事をする。自転車でいっぱいの缶を運んで潰す。道端で雑誌を売る。随分長い時間が過ぎたように思っていたが、大学除籍からこれまでたった半年なのだという。記憶喪失になってまで、ホームレスの人達と夜中に食べ物を囲んで笑うのがある意味強いのだが、記憶喪失だと思っていたら、販売中の雑誌に写真で載っている、あのナースがソープ嬢になっていたのを忘れてはいなかった。ナースも結局キャッシングで転落していた。男女のいびつな愛が主人公が中村蒼でヒロインが大塚千弘だった。井上順演ずるホームレスの助けてくれた人に対して、「俺は半年前までは大学生でした。もう俺は終わってるです」と言う。ホームレスは「終わっているなんて言ったら産んでくれた親に申し訳ないよと言う。そしてホームレスのおじさんに、ここ半年で出会った人達の事を話す。彼や彼女たちは、怖いマネージャーまで含めて、初めて出来た友達でしたという。だけど何もみんなにしてやれることが出来ず、力がないのだと語る。フリーセックスや女の風俗嬢への転落(個人的に衝撃的だったのは、こういうこともあるのかという最初だったからだろう、『ナニワ金融道』でそんな話があった。テレビドラマでは、篠原涼子が借金が返せなくなりソープ嬢になる役をしたのではなかったか)など、性倫理的にも描写にしても良くはないのだが、底辺に転落しても、一人の若者が何かを感じるという内容や、底辺にも優しい人がいるということや、癖のある人達も複雑に善悪絡ませているとか。そして男女のモチーフに帰る。この関係も複雑だ。ホストの同伴でセックスしていたナースが、今度は「お金持ってるの?」と主人公に聞き、お金を見せると、「じゃあ、お客さんだ」という風俗嬢の女。あなたもあの場所もお金で得ただけだったと語る女。馬鹿にしないで、とお金を主人公に投げつける女。すすり泣いている。「馬鹿になんかしてません。謝りきれないけど、自分が生きてるって茜(風俗嬢)や純也(元ホストの先輩)たちとのかかわりで生きているんだって。今、駅前で拾った雑誌売ってるホームレスやってます。もう自分は終わっているから、虫みたいに生きようと思ったんです。でもそれは逃げているだけでした。みんなが必死に生きようとしているのに、自分だけ逃げようとしていたんです。本当にごめんなさい」女の手に札を握らせて、少しずつでもお金返しますから。だから、生きていてもいいですか。」女は泣いていたが、主人公の時枝修に返して、笑顔みせて、「修。今の私のためにシャンパンコールやって」と風俗嬢とホームレスになった二人は、当時のナースの客とホストになって、主人公は泣きながら棒読みで一気飲みのコールをする。女が言う。「私も修もまだ終わったわけじゃないから」、修はコールを続ける。この抱き合う姿は性行為よりも精神的な結びつきだっただろうか。個人的にはこの男女は復縁ではないが、別れずにいて欲しいと思ってさえしまっていた。好き同士ではあったのに。甘いのだろうか。そして、ホームレスとの生活に戻り、修は、親父を探してみようと思うとホームレスの先輩に語る。井上順演ずるホームレスの先輩の息子は震災で死んでいた。ホームレスから旅立つというと、ホームレスの先輩おじさんは、100円玉を選別だとして渡す。深く小屋にお辞儀をして、吉田拓郎の「落陽」のような感じもしたが、100円をみて少し投げ上げて受けて歩き出す。企業社会のような、お金が比較的安定的に供給されるレールから脱線すると、複雑な難儀な世界に入ってしまうのか。だがそれぞれ強いと言えば強かった。最後の主題歌が高橋優の「旅人」で、監督は佐々部清だった。
奇跡のワンシーンが映画の価値を決める
学費滞納で大学を除籍になり、家賃未納でアパートから追い出された際に持ち物は全て没収され、着の身着のまま新宿の街に放り出された時枝修(中村蒼)。
1泊1,500円のネットカフェに泊まり、日雇いのティッシュ配りや治験のアルバイトで食いつないでいたが、ある日受けた職質で警官から屈辱的な扱いを受け、自分の現状に絶望する。
そんなときに知らない女に飲みに誘われ、奢りだと思ってついて行ったホストクラブで酔い潰れていた隙に女はトンズラ。
莫大な飲み代を支払うためその店で働くことになるが、情を捨てきれない性格の修は、ツケを払えなくなった客と従業員の逃亡を手伝って自身も店側から追われる身になってしまう。
地方の建設会社の寮でひっそりと暮らしていたが、やがて店に居場所がバレてボコボコにされ、記憶喪失になってホームレス生活を余儀なくされる。
「自分はもう終わっているーーー」
何もかも失った修は、社会の底辺から這い上がることができるのか。
ほんのちょっとしたきっかけで、誰もが飲み込まれ得る格差社会の闇。
底辺の人間を救済するようでいて、一度入ってしまえば簡単には抜け出せない貧困ビジネスのカラクリ。
無知であることって、楽だしある意味強いけど、そのまま大人になっちゃうのは本当に怖いよね。
あとはあの、「大学を除籍になってからたったの半年で人間そこまでいくか」っていうスピード感が堕ちていく人間を見ている側の絶望を加速させるようで、すごく秀逸でした。
でもさ、なんで青柳翔が中国でヤクの売人をする羽目になり、茜さんは風俗に売り飛ばされたのに、諸悪の根源であるルイは田舎でのっそり暮らしてるの?
まじ不快なんですけどー
でもその不快感が何よりもリアル。
説明つかない理不尽な現象だらけなんだよねきっと世の中ってさ。
そう考えると、私はまごうことなく幸せだ。
でもさでもさ。
青柳翔の銀髪ホスト姿には爆笑!
なにあのダメージジーンズの似合わなさ・・・!!!笑
最初全然誰だかわかんなかった。
中村蒼はほんとにいい役者さんだなぁ。
「BECK」のドラマーが今やホームレスか・・・とかカオスな感慨に浸るなど。
こないだのMステを見たとき、「FOREVER LOVE」という一曲にはX JAPANというバンドをこれからも永遠に存続させるだけの価値がある、と確信したんだ。
この映画も、茜と再会した修の、
「生きていてもいいですか?」
っていうセリフだけで、観る価値はあったな、と思った。
あれは本当に心にグッとくるいいシーンだった。
チャらく生きていた大学生が、突然親からの仕送りがなくなり家賃も払え...
チャらく生きていた大学生が、突然親からの仕送りがなくなり家賃も払えず家も大学も追い出され、漫画喫茶で日雇いバイトをしながら暮らすも、ある縁でホストとなり、太客を見つけるが仲間との縁で逃げ出すことに、建設会社で住み込みで働くが見つかり引き戻されボコボコにされてホームレスになる、という話。
ホームレスになって、人の縁がようやく染みてくるわけです。かつての太客がソープ嬢になっていたり。
貧困ビジネスって言葉が出てきてましたが、まさにそういう人たちがなんとなく貧困のまま生きていける世の中、っていうのがよくわかります。
ただ、身勝手です。
ホスト仲間の縁が一番深く描かれてましたが、結局ソープ嬢に転落した太客ナースが一番かわいそうですよ。男にたかってた女の子はちゃっかり実家で平和に暮らしてるし。
厳しさと温かさが、どこも中途半端かなっていう感覚です。金子ノブアキも甘いっちゃ甘いですよね。
実際の方がもっとシビアなのでは。
映像も演出も演技も特筆すべきものはなく、よくある日本映画、テーマはおもしろい、という感じ。
フンコロガシ(糞転がし)が、一番、働き者なんだよ
映画「東京難民」(佐々部清監督)から。
もっと悲惨な若者像をイメージしていたので、
ホストクラブの裏側をみせながらも、あまり逼迫した
「難民」という単語に相当した展開がなかった気がする。
辞書によると「難民」とは、
戦争、天災、政治的圧迫等により、生活の根拠に奪われ、
多くは集団で他の地方や国家に救済を求めて避難する者をいう。
だから、もっともっと多くの人たちが、生活に困窮し、
路頭に迷うシーンが散りばめられていると、勘違いしてしまった。
そんな中、印象に残ったのは、日雇い労働者の生活と会話。
住み込みの部屋に案内される途中、張られていた看板には、
「人生、逃げるが 負け!」(可笑しくて慌ててメモをした)
また「あの人たちは、技術じゃなくて『会社』という
居場所を持っている人たちだよ。それがね、一番、強いんだよ」
「一番悪いのは、一度でも失敗したら立ち直れない社会の仕組みだよ。
仕組みってのは強い連中のためのものだから、変わらないんだなぁ」
「でも一番辛かったのは、何もすることがないってこと」など、
日雇い労働者のボヤキは、なぜか悲壮感を感じなかった。
「フンコロガシ(糞転がし)が、一番、働き者なんだよ」という気概は、
俺たちは逃げてないぞ、という意気込みさえ感じた。
裏のある派手なホストの世界より、苦しいけれどコツコツと働く、
ホームレスの人たちにも、拍手を送りたい。
クソ生意気なガキの話。
「東京難民」、面白いです。
本当は手放しで賞賛したいが、気になる点がないわけではないので、−0.5点とします。特に私は、主人公ほど悲惨ではないが、楽しくて安定した生活を一瞬にして失った事があるので、感情移入ができて、自分もこのような目に合うのを想像しながら見ることができた。
ちょっと気になる点は、最初はチャラチャラしていた主人公が、どこからか分からないけど、急に他人思いのイイ奴になる。ここ、序盤に不動産屋に暴言を吐くとか、歩きタバコをプカプカ蒸すとか、クソ野郎具合を見せてるし、チャラい学生時代を回想でしっかり見せてる割に、あっさりイイ人と言うか律儀な若者に変わる。ホストに勤めて人の醜い部分、学生時代は知らなかった社会の不条理を知ってしまったから心変わりしたのだろうが、もうちょっと説明が欲しいし、何より変わり様が急激すぎる。少し残念。
難民感もあまり感じない。ホストになるまでの悲惨さはすごく丁寧にリアル描かれてると思うけど、ホストになってからはただのホスト映画に成り下がってしまう。売上至上主義的な先輩方に反目して、自分のペースや流儀で使命を取るようになる。こーゆー流れって、ホストを題材にしたドラマでは定番すぎる展開だし、ここに割く時間が以上に長い。その後のホームレス生活が意外とあっさり片付けられがちなので、もう少しペース配分を考えてほしいなと思った。しかし、ホスト周りの演技はどれも素晴らしいと感じた。特に大塚千弘さんは、最初はウブな女で徐々にビッチ感を出すけど、その容姿の変化に頼らずとも表情やセリフで演技を語れる、素晴らしい女優さんだと気づかされた。あとすげー可愛いし。金子ノブアキさんも良かった。だって怖いし。主人公に散髪代と服代を渡して、「前貸だよ」的なセリフがあるけど、この一言がとても重いし重要だった、秀逸な脚本。お見事という他ない。
あとは、結構友達たちと楽しんでた風な大学生活。急に大学を辞めるという劇的な流れがあるんだから、大学時代の友人と絡むようなシーンがあれば、より主人公が悲惨で可哀想という面が強調されると思うので、そーゆーシーンが個人的には欲しかった。
細かい揚げ足取りしてすいません。
粗を挙げるより、良い部分をあげた方が多いと思うのですが、それはあえて言いません。この映画の1番素晴らしい所はドキュメンタリーのようにリアルで、単純にこの主人公がどうなってしまうのかと気になって、あっという間に2時間を駆け抜けてしまいました。現代の若者が持つ可能性の両面を考える事ができる、素晴らしい作品です。
落ちる所まで落ちて、やっと掴んだ答え。
生きている限り、終わってはいない。
堕ちる所まで堕ちて、そこから何かを掴み
少しずつ這い上がっていくような所で終わるような展開だと思っていたら
その何かを掴んだ所で終わってしまったので少し拍子抜け。
終盤までに、学生→日雇い→治験→ホスト→寮付きの建設工→ホームレス
と、堕ちていく過程をゆっくりと段階を経て描いていたのが、
ラストが…と思った分やや冗長に感じました。
でもまぁ、こんなテーマの映画には
明確な答を提示してはいけないような気もします。それは自分で見つけるものだしね。
あと、R15な分、結構な描写があります。
自分はそれも少し過剰に感じました。
けれど、決して悲しい終わり方ではありません。
格差社会の現実をリアルに描き出す、というストーリーの説明時点で
十分重い作品にはなっているのですが
その修が出会っていく場面場面で、修に投げ掛けられるメッセージが重みのある分
終盤に描かれる、それを咀嚼したであろう修の行動は少し清々しく、暖かく映るものがあります。
まだ終わってはいないんだよ。生きている限りは。
だからこそあのラストに繋がるのかな。
万人受けできる作品ではないと思いますが、
どこか暖かみを感じられる作りになっているというのが良い感じになっているのでは。
あと、主題歌はこの作品に凄く合っております。特に詞が。聞き応えありますよ。
日本の真実だね
ここまで描いていいものかって、くらいリアル。
日本てこんな感じだよね。
でも、感動した。
ソープのコールとハグ…それが、救いでもあり、美しかった。
最高の映画をありがとう。
頑張って生きる気になりました。
レビューの高評価が頷ける
観る予定には無かったがレビューが高評価だったので鑑賞。
キャスト、彼らの演技(どの役者さんも!)、話、脚本、演出、上映時間(最初のシーンで終わりと思いきやまだあった)
100円玉の伏線までうまくまとまっていると思いました。そしてメッセージ性も大。
大学の学費も滞納期限切れで除籍される主人公の修(事務員の対応←そうゆう対応の人いると思う)
親からの仕送りを頼りにチャラチャラと生活していて、部屋の滞納通告も気にも留めずにいきなり退去させられる。
部屋を借りる借主ではなくてマンスリーマンションだったのかな?(今更ながら勉強させていただきました修と同じく)
そしてその表面的には丁寧な対応をする吹越さんも好演。(そうゆう担当者いると思う(笑))
ネットカフェ難民(ネカフェ難民)の実情(足を伸ばせて寝れない)
けどネカフェで寝れるだけよくて、24hファーストフードで朝まで過ごす住所不定の若者も多いという。
修はスマフォでバイトを探すが探している最中バッテリーが切れる。充電器を買って公共のコンセントから充電して使うが注意される。
(←そんな表に見えるコンセント使ってたら見つかるだろうに(笑))
バイト情報誌もネカフェで無料のものを見つける(あると思う)
ホストの裏側
金子ノブアキさん演じる篤志も寡黙系で十分怖かったが、現実はもっと怖いんじゃないか?
と思ったが修を捨てるシーンまで含め十分に伝わっては来た。
ホストの寮の様子も見れたし、中尾明慶演じる小次郎も(本人のイメージからの役柄か?)やさしい先輩やな~と思ったり。
大塚千弘ちゃんも体まで張って好演でした(演技うまかったしほんとに居そう)
けど実はシャンパンコールも後のシーンにつながっていたという。
日雇いの世界(そこで一度落ちると這いあがれない仕組み、這いあがらないような声も聞けた)
ホームレスの実情(義眼なんだろうけどカラーコンタクトまでつけちゃってた井上順さんも好演でした!)
もしかしたら修のお父さんか?そして二人抱き合う・・・っていう終わり方じゃ変か)
けど100円玉のエピソードがあった。なるほど!うまい!そうやってお金って巡り巡っているものなのよね。
以前100円玉をどぶに落としちゃったけど、また手に入れてプラマイ0というところも腑に落ちました。
けど最後のシーンその100円玉を握りしめてお父さんを探しに行こうとする修に100円以上の”もの”を得て
前向きに歩いて行くところは好感でした。
そしてそこで主題歌が流れてエンドクレジット。
この主題歌はこの映画のために作ったのかな?よく合っていると思いました。
いや~観てよかったです
全12件を表示