東京難民のレビュー・感想・評価
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落ちる所まで落ちて、やっと掴んだ答え。
生きている限り、終わってはいない。
堕ちる所まで堕ちて、そこから何かを掴み
少しずつ這い上がっていくような所で終わるような展開だと思っていたら
その何かを掴んだ所で終わってしまったので少し拍子抜け。
終盤までに、学生→日雇い→治験→ホスト→寮付きの建設工→ホームレス
と、堕ちていく過程をゆっくりと段階を経て描いていたのが、
ラストが…と思った分やや冗長に感じました。
でもまぁ、こんなテーマの映画には
明確な答を提示してはいけないような気もします。それは自分で見つけるものだしね。
あと、R15な分、結構な描写があります。
自分はそれも少し過剰に感じました。
けれど、決して悲しい終わり方ではありません。
格差社会の現実をリアルに描き出す、というストーリーの説明時点で
十分重い作品にはなっているのですが
その修が出会っていく場面場面で、修に投げ掛けられるメッセージが重みのある分
終盤に描かれる、それを咀嚼したであろう修の行動は少し清々しく、暖かく映るものがあります。
まだ終わってはいないんだよ。生きている限りは。
だからこそあのラストに繋がるのかな。
万人受けできる作品ではないと思いますが、
どこか暖かみを感じられる作りになっているというのが良い感じになっているのでは。
あと、主題歌はこの作品に凄く合っております。特に詞が。聞き応えありますよ。
日本の真実だね
ここまで描いていいものかって、くらいリアル。
日本てこんな感じだよね。
でも、感動した。
ソープのコールとハグ…それが、救いでもあり、美しかった。
最高の映画をありがとう。
頑張って生きる気になりました。
レビューの高評価が頷ける
観る予定には無かったがレビューが高評価だったので鑑賞。
キャスト、彼らの演技(どの役者さんも!)、話、脚本、演出、上映時間(最初のシーンで終わりと思いきやまだあった)
100円玉の伏線までうまくまとまっていると思いました。そしてメッセージ性も大。
大学の学費も滞納期限切れで除籍される主人公の修(事務員の対応←そうゆう対応の人いると思う)
親からの仕送りを頼りにチャラチャラと生活していて、部屋の滞納通告も気にも留めずにいきなり退去させられる。
部屋を借りる借主ではなくてマンスリーマンションだったのかな?(今更ながら勉強させていただきました修と同じく)
そしてその表面的には丁寧な対応をする吹越さんも好演。(そうゆう担当者いると思う(笑))
ネットカフェ難民(ネカフェ難民)の実情(足を伸ばせて寝れない)
けどネカフェで寝れるだけよくて、24hファーストフードで朝まで過ごす住所不定の若者も多いという。
修はスマフォでバイトを探すが探している最中バッテリーが切れる。充電器を買って公共のコンセントから充電して使うが注意される。
(←そんな表に見えるコンセント使ってたら見つかるだろうに(笑))
バイト情報誌もネカフェで無料のものを見つける(あると思う)
ホストの裏側
金子ノブアキさん演じる篤志も寡黙系で十分怖かったが、現実はもっと怖いんじゃないか?
と思ったが修を捨てるシーンまで含め十分に伝わっては来た。
ホストの寮の様子も見れたし、中尾明慶演じる小次郎も(本人のイメージからの役柄か?)やさしい先輩やな~と思ったり。
大塚千弘ちゃんも体まで張って好演でした(演技うまかったしほんとに居そう)
けど実はシャンパンコールも後のシーンにつながっていたという。
日雇いの世界(そこで一度落ちると這いあがれない仕組み、這いあがらないような声も聞けた)
ホームレスの実情(義眼なんだろうけどカラーコンタクトまでつけちゃってた井上順さんも好演でした!)
もしかしたら修のお父さんか?そして二人抱き合う・・・っていう終わり方じゃ変か)
けど100円玉のエピソードがあった。なるほど!うまい!そうやってお金って巡り巡っているものなのよね。
以前100円玉をどぶに落としちゃったけど、また手に入れてプラマイ0というところも腑に落ちました。
けど最後のシーンその100円玉を握りしめてお父さんを探しに行こうとする修に100円以上の”もの”を得て
前向きに歩いて行くところは好感でした。
そしてそこで主題歌が流れてエンドクレジット。
この主題歌はこの映画のために作ったのかな?よく合っていると思いました。
いや~観てよかったです
心に突き刺さる
格差社会の現実を描く、という謳い文句が前面に押し出されているが、社会全体というよりはひとつのモデルケースとして主人公の道程を細やかに追った作品であるように感じた。
映画の中の時間軸でも、見ている側の時間軸でも、登場人物達が堕ちていくのはあっと言う間。「他人の不幸は蜜の味」というがそんなことは微塵も感じず、この作品を見ている最中は隣り合わせにある自分自身が堕ちていく可能性に肝を冷やされ続けた。それだけひとつひとつの描写が自分自身の想像を超えてリアルだった。
そんな中でも登場人物達の良し悪しを含めた変化が確実に描かれていた。食事や容姿、言動などの変化に人間臭さが沁みていた。
最後まで救いのない作品ではないかと鑑賞前は危惧していたが、救いはあるように思える。ただ、どう感じるかは完全に人それぞれであって明確でストレートな救いは提示されない。
それらは特に堕ちきった後に感じる登場人物たちの成長の中に見出すことができるように思える。
堕ちる過程を描くだけではない。登場人物の成長譚とも見れるし、その中に微かな、しかし誰でも抱えることができる希望を発見できた。
私自身が感じたのは日々を漫然と過ごすことへの自戒であり、生きて日々を過ごしていることの尊さだった。
謳い文句になぞらえた言葉で言えばいわゆる「下流」である登場人物達が「生きている」姿に最後は魅せられていた。
この作品は感情移入したり共感したりするものでは、おそらくない。
この作品を見たからと言って身近な「下流」の人に何か「してあげる」ことは見当違いであるし、
この作品を見たからと言って格差社会が決定的に解決されることも、たぶんない。
今生きている道がどんなものにせよ、そこを漫然と歩くのではなく踏みしめて歩く。
という力強いメッセージと、
現実に作品で描かれた境遇に苛まれる人がそれでも生きていること。
これを頭のどこかに留めておくこと。
最後に流れる主題歌「旅人」はこの感じ取ったメッセージを何倍にも増幅させて強烈に伝えてきた。
今日、明日からの日々を大事に生きていこうと心に誓えた作品だった。
他人事ではない
大学生の日常からリアルに描かれているので、物語に入り込みやすい。人生の転落ぶりも怖いぐらいリアルである。可哀想というよりも我が身に起こるかもしれないという現実味が感じられた。
暗いテーマの中でも、登場人物の人間らしさが見える部分が多くあり暗くなりすぎず見れた。
見終わった後は、自分の日常の幸せを改めて感じられると思う。
役者の方の体当たりの演技が素晴らしい。見て損はない作品!
期待大!!
平成26年2月22日(金)公開。
家族愛を描いたらA級の、『半落ち』『ツレがうつになりまして。』の佐々部清監督が、ノンポリとした学生生活から、東京の奈落に落ちて行く青年を、どの様に描くのか。
そして、佐々部監督初の「R-15」で、表現の幅を広げた作品。
公開が待たれます。
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