「人気感染ホラーシリーズ、最後の航海」REC レック4 ワールドエンド 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
人気感染ホラーシリーズ、最後の航海
いわゆるPOV(主観視点)映画の中でも
黎明期の傑作に当たるスペイン製ホラー『REC』。
シリーズを重ねるごとにクオリティダウンしてきた
同シリーズだが(いきなりディスるか)、
ようやく本作『REC4:ワールドエンド』で
物語に一応の決着が付きました。
なお、シリーズ未鑑賞の方は最低でも『1』『2』は
観ておかないとストーリーがサッパリだろうなので注意。
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謎の感染症によるパニック(『1』『2』)の鎮圧後、
感染症の研究・解明のために大型船に隔離された人々。
だがなんと(ていうかやっぱり)その船内で感染症が蔓延!
主人公アンヘラと、彼女をアパートから救出した張本人
である特殊部隊員グスマンは、他の生存者たちと共に
船からの脱出を図るが……というあらすじ。
今回は『1』『2』で散々な目に遭ったヒロイン・
アンヘラが再び主役として走るわ殴るわの大暴れ。
『2』までご覧になった方は「え、けど彼女って……」と
思うだろうが、そこが今回サスペンスとして利いてくる上、
割と納得のいく決着も用意されている。
(まあ『2』の超展開に納得してるかどうかは別の話だが)
狭い空間が舞台でストーリーもタイト。
前作から妙に話のスケールを広げなかった点も良いし、
ストレスを感じさせない語り口の早さに好感が持てる。
これまでのゾンビ映画と比べてオリジナリティが
あるかと問われると答えに窮すが、船が舞台という点、
ゾンビ○○の登場、船のファンの利便性(笑)など、
面白いアイデアも少なくないし、誰が生き残るのか?
という点も割と読みづらいと思う。
いやあ、まさかアイツがアレでアイツがあんなとはねえ……
(↑うるせえ)
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だがここで、シリーズファンとして最も残念だった点にも触れておく。
『REC3:ジェネシス』に引き続き、今回はPOV一切ナシ!
最大の特徴だったはずのあのピりピリした恐怖も今回は
感じられないので、この点は残念な事この上ない。
だがそのぶん、話は整理されて見易い。
POVは緊迫感を煽る要素としてはバツグンだが
物語を説明する上では色々不都合もある手法。
シリーズ最後の物語に集中させるという意図であれば、
この選択もあながち悪くはないと思った。
なので、今回の“レック”は “Rec(撮影)”じゃなくて
“Wreck(難破)”という意味だったのかと諦めていただきたい。
(↑うるせえ)
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アンヘラ姉さんの受難はこれにて完結。とはいえ
ホラー映画なので(?)やっぱり次回を匂わすような
ラストになってます。
1作目級の衝撃や恐怖は望めないけれど、それでも楽しく観られる最終章。
『1』『2』の続きが気になってしようがない方、
密閉空間でのゾンビホラーに興味のある方はどーぞ。
<2015.02.07鑑賞>