パッションのレビュー・感想・評価
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日本初公開時から好き
初見は日本初公開時(2013年10月8日)にTOHOシネマズみゆき座で、二度目はDVD化された時、今回=3回目はBlu-rayで鑑賞🎥
初見後には「映画評」を書いてキネマ旬報に送ったら、「読者の映画評」に掲載された作品でもある。
やはりBlu-rayはDVDよりも画質良好で、スクリーン鑑賞時なみの高画質✨
さて、本作、大好きなブライアン・デ・パルマ監督作品。
めくるめく流麗なカメラワーク、ブロンド女、双子エピソード、画面分割、デスマスクのような仮面など『デパルマ・タッチ』が盛り込まれ、確かにブライアン・デ・パルマ監督しか撮れない映画となっている。
本作は、アラン・コルノー監督の遺作となった『ラブ・クライム 偽りの愛に溺れて』をリメイクした作品であり、「中年上司と若いアシスタント」を「同世代の女性たち」を主役とする設定変更を行っているものの、物語はほぼ「そのまんま」…😄笑
デ・パルマ版を映画館に観に行く前に、「コルノー版を観てから行くか?」と迷ったが、観ないで映画館に行って良かった🤗
物語は、2人の女性が並んでパソコン画面を覗きこんでいる場面から始まるが、この二人が上司クリスティーン(ブロンド女=レイチェル・マクアダムス)と部下イザベル(黒髪女=ノオミ・ラパス)であり、上司が部下の手柄を横取りしたことから女同士のバトルが始まる。この2人に加えて、イザベルの部下ダニ(赤髪女=カロリーネ・ヘルフルト)も登場させた髪の色による対比が面白い。
ストーリー展開自体は、アラン・コルノー監督によるオリジナル作品『ラブ・クライム 偽りの愛に溺れて』をほぼ踏襲しているが、オリジナル版でモヤッとしていた終盤部分を「イザベルによる殺人映像(盗撮映像)」として呈示することでデ・パルマ監督は結末の明確化を実践して、オリジナル版のフォローをしている。
これは、ルイ・マル監督の『死刑台のエレベーター』で「窓の外にぶら下げたままのロープ」を、緒方明監督のリメイク版では確りとロープ処分をして、オリジナル版フォローしたのと似ている。
この映画、デ・パルマ監督作品として違和感をおぼえるのも事実である。
他の監督作品のリメイクであることや、物語が女性同士のバトルを描いた点はデ・パルマ監督の新たな試みとして見ることもできるが、違和感が顕著だったのは『画面分割シーン』である。
デ・パルマ監督の場合、この画面分割は緊迫感あふれるシーンで使われることが多いが、今回は画面分割した際の「左側はバレエ場面、右側は狙われるクリスティーン場面」と日常場面と緊迫場面の併映となっており、緊迫場面を異なる視点から分割場面とする従来の手法を変える試みをしているが、日常場面(バレエ場面)が大きく違和感あり、緊迫感を削ぐ結果となってしまったのは惜しい。
ただ、画面分割の右側のクリスティーンの描写で「分割した画面の中で、更に『クリスティーンを覗く』ような狭窄的な描写」はデ・パルマ監督らしさを醸し出していた👍
また、画面分割の直後から、「実は夢だった」場面でストーリーをぼかしたことで、観客にはクリスティーンを殺した犯人が「いったい誰?状態」になる。
『ファム・ファタール』での「長時間にわたって観客に見せた場面が夢だった」という観客を惑わす手法がデ・パルマ・ファンには「今、延々と描かれている物語は実は夢ではないか」というトラウマになってしまった気がする。
『キャリー』ラストの悪夢シーン(墓から手)などの「実は夢だったシーン」は効果的だったが、夢シーン多用は避けて欲しいところ。
この映画でも夢のシーンがあったが、『ファム・ファタール』ほど長い夢ではなかったのでホッとした。
延々と見せたシーンが夢だったというのは、一生懸命に映画を観ている観客を愚弄する行為にも思える。
さまざまな新しい試みも含まれるデ・パルマ監督作品であるが、流麗なカメラワークと映像美は独特であり、デ・パルマ監督の健在ぶりを示す映画だったと思う。
【補記】
Blu-ray特典映像でデ・パルマが本作を語った映像が収録されているが「誰が誰を殺すのか?終わりまで分からない。それがスリラーのあるべき姿かも…」と語っている。
だから、こういう作り方にしたのか……などと思う。
<映倫No.45904>
主人公の女の生き様
集団いじめの主犯格のやり口そのまんまの生き様なので、見てて胸糞悪くなる人もいるのでは?1時間ぐらいからの映像で画面が二画面になるシーンとかは2012年の作品とは思えない古い感じがする。それとノオミ・ラパスの後からのシルエットがおっさんに見える。この手の女は他人の優しさや忍耐につけこんでくるので、会社や学校や近所にいたら、迷惑極まりないなので保健所で処分してもらわないとだめです。
大どんでん返し?系の映画が好きな人向けの映画かもしれません。昔の映画ファンみたいな人が好むような映画だとおもいます。
デパルマ節、健在だが。
デパルマは褒めたくなるが。
無臭トレンディな空間で憧憬と殺意、幻夢と現実が映画に折り畳まれて、まんま放り出されるデパルマ節の健在を祝しつつ、殺しのドレス未満な不全感に嘆く。
下世話不足か。
MI-1のセルフ引用(トムクル水平中吊り?)は頂いとく、かな。
波乱の展開がチープに続くので、めちゃ雑な作りに見えてしまった。夢オ...
波乱の展開がチープに続くので、めちゃ雑な作りに見えてしまった。夢オチが夢オチとして機能していないところは好き。ラストシーンとか怖かったし。観客を何度も欺くのが目的なんだろうけど、レズ要素が思いのほか少なかったのが一番欺かれたわ…
デ・パルマ萌えがとまらない
ヒッチコック愛が深い...言い換えればヒッチコックオタクのデ・パルマw
この作品でも「めまい」を彷彿するシーン有り。自身の今までの映画もパクっちゃう。主演二人がビアン風に撮ってあるのは「ファムファタール」か?クリスティーンが双子設定は「悪魔のシスター」か?ラストの怖すぎる夢オチ風endは「殺しのドレス」かな?
御年73(撮影当時)デ・パルマ節健在に萌(о´∀`о)え!
迷匠…いやいや、名匠デ・パルマ!
「アンタッチャブル」「ミッション:インポッシブル」など大ヒット作を手掛けているのに、ほぼ同期のスピルバーグ、ルーカス、スコセッシらより評価が低いブライアン・デ・パルマ。
ヒッチコックの後継者としてサスペンスで手腕を奮い、映像テクニックなど名匠の名に恥じないが、時々困った癖が。
それがつまり、“変態嗜好”。
その最たるが「ボディ・ダブル」だが、本作もなかなか。
憧れの上司に裏切られ、殺意を抱く部下。
昼メロのような女二人の愛憎劇と言うのは容易い。
女の嫌らしいねちっこさや何処か漂う官能的な同性愛の匂い、女優たちのケバケバメイク、SMグッズに“ケツカメラ”…何だか熱にうなされてるようなデ・パルマ変態ワールド。
野心家の上司にレイチェル・マクアダムス。
その部下にノオミ・ラパス。
最初はキャスティング逆じゃないかと思ったが、美貌が嫌味にすら見えてくるマクアダムスと地味なラパス、しっくりくる。
もう一人の女、ラパスの助手のカロリーネ・ヘルフルトも印象に残る。
一歩引いて見ると陳腐な下世話ネタだけど、ねっとり浸かる。
「ボディ・ダブル」のレビューでも確か書いたが、デ・パルマのこういう作品、嫌いじゃない。
ヒッチコック愛溢れ(過ぎ)るデ・パルマの新作
アラン・コルノーのオリジナルは未見だが、リュディビーヌ・サニエ、クリスティン・スコット・トーマスの年の差(実年齢20歳差)共演では、単純に上司と部下という関係だけでなく、年齢差(老いと若さ)も二人の関係性を考える上で大きかっただろうと想像出来るが、今作デ・パルマのリメイク版では年齢差のないレイチェル・マクアダムスとノオミ・ラパスをキャスティングしたことで、陰と陽、光と影、二人の衣装(クリスティーンの色鮮やかなファッションに対しイザベルの黒づくめのファッション)に象徴されるように二人のキャラクターの対比が鮮やかだし、キャスティングされた二人の個性も活きていると思う。
オリジナルは未見なので、そちらに対してどうなのか分からないが、これはこれで悪くはないと思う。
ただし、観終わってみると、妙に古臭い印象が強く残ってしまう。
これは、デ・パルマのあまりのも強過ぎるヒッチコック愛(ラスト近くの音楽など、そのまま『サイコ』だったし)のせいなのか、デ・パルマの年齢によるものなのか?
この古臭さが最近デ・パルマがアメリカで映画を撮れない理由なのだろうか?
女優はいい。男優は影が薄い。
舞台は国際的な広告会社のベルリン支社。重役で支社長のクリスティーンは野心家で、ずる賢く、意に背く相手はとことん引きずり下ろす。すべてが手に入らないと気がすまない女だ。レイチェル・マクアダムスが、それなりに頑張ってイヤな女を懸命に演じている。
クリスティーンの下で働くイザベルは、才能があるが、上司にアイデアを横取りされたうえ、徹底的に踏みにじられる。耐えられずにクリスティーンに対する殺意を抱いていく心の動きをノオミ・ラパスがしっかり表現。こちらはさすがの演技。
この作品、二人の女の対決ではあるが、ここにもう一人の女が登場する。イザベルの助手のダニだ。黒にブロンドに赤毛が加わるわけだ。ダニを演じるのはドイツの女優カロリーネ・ヘルフルト。ダニはイザベルに心酔していて、事件への関与を匂わせるのだが、たいしてややこしくはならない。話は悪くないが、演出が蛋白で平坦だ。
中盤までは、パワハラと、それに耐える部下という構図がはっきりしていて話に乗りやすいのだが、後半、とくに終盤はイザベルの悪夢を絡めたうえに時系列が入り乱れて、何をやっているのか判らなくなる。
バレエとのマルチ画面も、ついつい綺麗なバレリーナの方に目がいってしまい、鬱陶しい。
サスペンスとしてはともかく、ミステリーに関しては、事件の真相がしっかり伝わってこない。
デ・パルマ監督がこの作品に課した真意が分からない。勝手に答えを導けということか?
ということであれば、あれだけしたたかな女であれば、ひじょうに近い身内を故意に犠牲にしていてもおかしくないと考える。
パルマだね〜
ちょっとレトロチックな映像と音楽で楽しめました。
パルマ節な映像とか、お話とか、好きです。
嫉妬、復讐、レズネタ、キャリー仕様と…途中でネタバレ感ありな仕上がりでしたが、これはこれで期待裏切らずな出来栄えです。
出世するために手段選ばずなクリスティーンもいいけど、結局つるべしきに皆こんな感じに変貌してっちゃうのがまたよいですね。
今となっては、ライトなサスペンス感覚くらいになっちゃうネタですが面白かったです!
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