「場面転換がほとんどないのに充分なスリラー。」ザ・コール 緊急通報指令室 alalaさんの映画レビュー(感想・評価)
場面転換がほとんどないのに充分なスリラー。
ラスト微妙に感じる人が多いのではないかと思うけど、充分楽しめました。ハル・ベリーの安定の演技力!
ハル・ベリー主演の映画は『チェイサー』も見ましたが、ほとんど彼女1人しか出てこないのに、緊張感があって素晴らしかったです(独り言が多すぎるんですが…笑)。
こちらの『ザ・コール』はハル・ベリー1人劇ってほどではないですが、それでも殆ど彼女の演技に支えられていた気がします。
ほぼ指令室から指示を出しているだけの内容なので、どこかしら退屈するだろうと思っていたのですが、とんでもない…退屈する間もなく色んな事が起き、飽きさせません。
多少、登場人物の失態に「えぇ~?」と思う部分もあるものの、全体的にストーリーはよくできていて、アメリカの誘拐事件ってこんななのかなぁと想像できました(実際トランクに入れられて誘拐されることは多いようです)。
あらすじ:
主人公のジョーダンは911緊急通報指令室のベテランオペレーター。緊急通報といっても、本当に緊急のことはほとんどない。しかしある日ジョーダンが取った電話は、「親の外出中に何者かが自宅に押し入ろうとしている」という少女からだった。ジョーダンは少女を落ち着かせ、押し入ってきた男に少女が窓から逃げたように見せかけ、ベッド下に隠れるよう言う。作戦は上手くいったかのように見えたが、少女が隠れている際うっかり切ってしまった電話に、状況を考えず慌ててかけ直してしまったジョーダンからの電話の呼び出し音で、家から出て行こうとしていた犯人が戻ってきてしまう。少女はベッド下から引きずり出され電話を奪われると、犯人からの「もう手遅れだ」という言葉を残して電話が切れる。翌日、少女が行方不明になったことがニュースになり、失意の中出勤したジョーダンは、それでも心を奮い立たせて緊急通報を受ける。大丈夫、上手くやれる…そう思っていたのもつかの間、ニュースで行方不明になっていた少女が遺体で発見されたことを知り、ジョーダンはショックで精神安定剤を服用するように。自分にはもうオペレーターはできないと一線を退き、教官になった。
半年後、研修生に現場を見せながら指導をしている際、またしても少女誘拐の緊急通報が入る。電話を受けたのは、まだ現場に出て半年の新米オペレーター。少女はショッピングモールから帰る途中、薬で眠らされ、車のトランクに入れられたという。自分の失態で少女を死なせてしまった記憶がよぎり、躊躇したジョーダンだったが、すぐに新米に代わり電話を取った。半年ぶりの現場に復帰したジョーダンは、電話の向こうの少女を今度こそ助けるため、指示をするが…
以下ネタバレ
結局犯人の家族はどうなったんやら、ラストに関してはちょっと「えぇ…それはまずくない…」という感じですが、まぁこれで警察呼んでおしまい、ではそこらの映画と内容丸被りになっちゃうんでしょうね。でもなぁ、単なる復讐劇になっちゃってて、それで良いの~?という気も。
ただ、ジョーダンが犯人に復讐する(というか少女の案に乗っかる)理由もきちんとわかるようになっているので、まあ筋が通らないというわけではないです。たまにはこういうラストがあっても良いのかな。
あれだけ頑張って捜査して、「今日の君を誇りに思う」とまで言ってくれた警察官の恋人にも内緒ってことですよね、当然。うーん、そこだけが個人的には残念です。
オペレーターとして、かなり実力のある人なんですよね。ジョーダンは。なのに、「誇りに思う」って言われた後、助けられなかった少女の件もあり、今回の少女も殺されかけているのを目にした、だからって少女に言われてあの判断できるかなーと言われると…現実的ではないような気もします。
個人的にはあの流れならば、よくある映画と言われようと、最後は通報した方が良かったんじゃないかなーと思いました。
全体的に緊迫感がずっと続く映画なので、結構疲れる気もしますが(笑)、楽しめました。
ちょっとだけ血が出て、グロって程ではないが「痛そう~ウワーー」と思うシーンはあります。血が苦手な方は注意。それ以外はミステリー要素はちょっとで、スリラー要素が多く、エロ要素も虫も出てこないので万人向けだと思います。