「プリヤンカー・チョープラーの演技の幅と説得力」バルフィ!人生に唄えば 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
プリヤンカー・チョープラーの演技の幅と説得力
ニック・ジョナスと結婚してすっかりハリウッドの住人になってしまったと思っていたボリウッドスターのプリヤンカー・チョープラーだが、『RRR』のラージャマウリ監督の新作『Varanasi』でインドの超大作映画に復帰するという。ミス・ワールドの元世界チャンピオンということもあって再び絶世の美女スターとして注目されるだろうと思うのだが、いやあ、役者としても素晴らしいですよねと言いたいときにオススメしたいのが『バルフィ』。
主人公はランビール・カプールで、聴覚障害を持ちながら陽気に前向きに生きる青年バルフィ。序盤は資産家の妻でもある女性との狂おしい恋物語だが、プリヤンカーが演じているのはバルフィの幼馴染ジルミルで軽度の知的障害を持つ女性。男ひとり女ふたりの切ない三角関係というのはボリウッドの十八番のひとつだと思うが、これは恋の鞘当てという感じでもなく、ただバルフィとジルミルが、兄妹のような、運命共同体のような絆で繋がっていく様が描かれていて、プリヤンカーの佇まいもセクシーな美女というパブリックイメージとはほど遠い。
非常に良質なボリウッド映画の一本であり、現実を見据えつつも気持ちよく涙ぐまされるファンタジーになっていて、プリヤンカー・チョープラーのことはさておいてもオススメです。
コメントする
