「元祖トレイン・パニックの残す余韻」カサンドラ・クロス しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
元祖トレイン・パニックの残す余韻
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Blu-rayで鑑賞(吹替【水曜ロードショー版】)。
原作は未読。
過激派の青年によって、アメリカ軍が極秘裏に開発していた細菌兵器が大陸縦断特急の中に持ち込まれてしまう。
汚染されていく車内の様子を、乗客たちの紹介を兼ねた群像劇でもって見せる。完璧なプロローグだなと思った。
演技巧者な豪華キャストを揃えているからこその重厚感も堪らない。ソフィア・ローレンの美しさと言ったら…
どんどん物語のギアが上がっていく。なんて面白い脚本なのだろう。高まるサスペンスに手に汗握りまくった。
全てを隠蔽し闇に葬ろうと画策するアメリカ軍情報大佐の企てる計画はあまりにも非情で、未必の故意そのものだろう。
その企みに抗うべく立ち上がる乗客たち。特殊部隊を相手に銃撃戦を挑むのである。彼らの戦いの行方に手に汗握った。
その後の結末には驚愕を禁じ得ない。全員生還のハッピーエンドを期待していたのにまさかこんな大惨事になるなんて…
列車が崩落した鉄橋から落ちていくシーンが生々しい。乗客を貫く鉄骨、苦悶に喘ぐ表情のアップ…地獄絵図であった。
自らの職務を全う(本当は上手くいっていないが)した大佐にも監視がついており、その後の彼(と巻き込まれた女医)の運命を想起させるラストがなんとも言えぬ余韻を残す。
手段を選ばぬ隠蔽の動きが止まらないのならば、生き残った乗客たちのその後にも、恐ろしいことが待っているのではないか。そんなことを想像させる幕切れが素晴らしかった。
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