「まるで「ハンガー・ゲーム」」ダイバージェント M.Kotaroさんの映画レビュー(感想・評価)
まるで「ハンガー・ゲーム」
主人公の成長物語という点ではそれなりに面白かったけど,総じて「ハンガー・ゲーム」の二番煎じ的な感じがした。
両者ともに世界規模の大戦争後の荒廃した世界が舞台。「ダイバージェント」では生まれ持った性格で住む世界(居住区)が決まり,「ハンガー・ゲーム」では地区ごとに職業が決まっている。「ダイバージェント」でも「ハンガー・ゲーム」でも,それぞれの「世界」の間には何らかの確執めいたものがあって,争いが起こりかねない状態にある(そして実際に起きてしまう)。そして何より,両者共に主人公は若い女の子であり,最初は無力だが強い意志を秘めていて,努力と友人の協力より力強く戦士として成長していくというストーリー。
スケールは「ハンガー・ゲーム」の方がはるかに大きいが,根っこの部分のコンセプトはほとんど同じだと思う。
そもそも「性格によってすべてが決まる」という設定を消化しきれていない印象。「高潔」や「勇敢」などいずれの性格にも属さない「ダイバージェント」は超人類的な存在になり得るはずだし,実際作中では恐れられる存在として描かれている。それなのに,その特異性がまったく話に活かされていない。主人公が「異端者」である必要性がまったくない感じ。
もったいないなあと思う。
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