「異端者が世界を変える」ダイバージェント ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)
異端者が世界を変える
流行ってますよねえ、この展開。
なんですかね、所謂『トワイライト』現象的な流れというか、最近だと、特異な近未来のSFモノという点では『ハンガー・ゲーム』に近いのかな。ま総じて若者から圧倒的な支持を受けている原作からの映画化って系譜ですよね、この『ダイバージェント』も。
向こうさんの若者は、こう、あれなんですかねえ。
「制約」「ルール」「国家」てキーワードに弱いんですかね。そこにSFを加味して、で、その渦中から偶発的に生まれる禁断のラブストーリーに目がないというか。
なんていうのかな。「結ばれるロミオとジュリエット」的な(この例えが正しいかは知らないですが)。
んー、や、そういう分析は兎も角としてですね。色眼鏡で見ちゃうのは良くないですよね。肝心なのは映画ですから。あちらの若者で盛り上がってる原作を舐めてる訳じゃないし。語るべきは映画本編であって、映画は映画で評価しなくちゃならないので。
まずは、そうですね。物語を丁寧に描いてますね。
丁寧過ぎて、上映時間が長尺になってしまってるのが好みの別れるところじゃないでしょうか。ランタイム140分ですか。二時間超えですよね。
冒頭から中盤に掛けての長い修行時代は嫌いじゃないです。これは個人的に自分の好きな部類の展開というか。
己の適正を知り、その派閥で生きて行く近未来社会が舞台で、そこに属したのなら、その派閥のルールで生きる為のノウハウを獲得していかなければならない。こういう修行の期間を丹念に描いてくのは、自分の好物なんです。そこは、まあ問題じゃなくて。
ただ、ただですよ。
問題は後半です。後半のクラマックスです。
ショボ!しょぼい!しょぼいんですよ!
恐ろしい程に盛り上がりませんから。前半で息切れしたのか、後半の失速ぶりハンパない。カタルシスないでしょ。何ですかアレ。ワクワクしますか?しないでしょ?(あの)ケイト・ウィンスレットが気張ってラスボスやったりしてるけど、ワクワクなんてしませんから。
何でこうなったんでしょ?
これね、自分、思ったんですけどね。前半と後半で映画を分けた方が良くなかったですかね?パート1、パート2とかで。あの物語のボリュームをひとつにくっ付けたら、そりゃ息切れ起こすよね、て。分けさえすれば駆け足にならずに済んだよね、て。思ったんですけど。どうでしょうか。
えー。えー、以上です。