レイルウェイ 運命の旅路のレビュー・感想・評価
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"赦す"ことが出来るか…。
いまこそ、見るべき映画
実に重い映画だった。
でも、いまこそ見るべき映画でもあると思った。
第2次大戦中の日本軍兵士がイギリス軍兵士に対して行った過酷な労働と拷問。こんなことがあったのだという事実。
なにしろ、これは自叙伝として描かれた実話なんだから。
そして、あとになっても癒されない心の傷(PTSD)。
その原因に向き合わなければ、いつまでも癒せれないという妻と友人。
いまだにのうのうと生きているという日本人(日本軍兵士)に怒り、復讐心を燃えたぎらせる。はじめのうちは、自分がやられたことをそのままやりかえそうとする。それでも、無抵抗な元日本軍兵士。「あなたに罰せられるために生きてきた」といい、当時の自分を悔恨していることを知る。彼もまた心の傷を負っていたのだ。
2度に会いに行くときは自分を救ってくれた妻と一緒だ。
私はいま、こんな素晴らしい妻をもっている。君もいつまでも悔やんでいないで前に向いて歩こうということを伝えに。
そして、そのイギリス人と日本人は死ぬまで交流を続けたという。
戦争というものは人間を矮小化する。目先のことしか考えられない生き物にする。理性も知性もなきに等しいものになってしまう。
そして、あとになって悔やむのだ。なんであんなことをしてしまったのだと。
だから、理性があるうちに、知性があるときに、よくよく考えなければならない。戦争がはじまってからでは遅いのだ。
いまこそ、知っておかなければならない。見ておかねばならない映画だと思う。
最後になるが、コリン・ファース、ニコール・キッドマン、真田弘之、ステラン・スカイシガイド、4人の出演者の演技が素晴らしかった。特に、僕のファイバリットのひとりニコール・キッドマンは大人の芝居を見せてくれた。よかったです。
「恩讐の彼方に」
第二次大戦下で日本軍の捕虜となり、タイ・ビルマ間の鉄道建設の過酷な労働を強いられたエリック。戦後数十年経っても、そのときのトラウマに苦しんでいる。その彼と、当時の日本軍通訳との再会は、まるで菊池寛「恩讐の彼方に」のようなクライマックス。贖罪と、赦し。
最後、落としどころ(その後、親友と呼び合うほどの交流)がないのは、単なる美談で済ませたくなかったからだろうか?
通訳(真田広之)が、戦争の責任をあそこまで個人で背負い込むことに、やや疑問あり。
時を経て敵を許せるか
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