「人間関係とアンサンブル」25年目の弦楽四重奏 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
人間関係とアンサンブル
第二ヴァイオリンのロバート(ホフマン)とヴィオラのジュリエット(キーナー)は夫婦。第一ヴァイオリンのダニエル(マーク・イヴァニール)は彼らの娘アレクサンドラ(イモージェン・ブーツ)の教師をも受け持つことになったが、やがて二人は年齢差がある恋に落ちる。そして存続問題を話し合ううちにロバートとジュリエットは険悪な状態となり、ロバートのちょっとした浮気により夫婦の仲は裂かれてしまう。
長年築いてきたアンサンブルの崩壊する瞬間。40代の3人と60代の1人。病気による発端ではあったが、あと1年は活動できたであろう4人であったが、いかにも個人的な人間関係で崩れていく様子が上手く描かれていた。
冒頭と最後に登場するコンサートシーンはそれぞれの思いが表情豊か。速いパッセージにはついていけないと、ピーターが途中で演奏を止め、後任のニナ・リーが加入するというクライマックスの展開では感慨深いところなど無いのだが、今後どうなるかも期待できない・・・シューベルトが晩年にこの曲を聞きたいと言ったとか、そんなエピソードしか伝わってこないのだ(笑)。
コメントする