劇場公開日 2013年7月20日

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「習作?」SHORT PEACE とみいじょんさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5習作?

2021年9月13日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

寝られる

アカデミー賞にノミネート?文化庁の賞? 日本のアニメは衰退しているのか?
習作をそのまま世に出しちゃった、みたいな。

オープニングで鑑賞をやめようかと思ったが、話題になった江戸の大火を見たくて続行。

『九十九』
ジブリアニメのよう。『千と千尋の~』や『もののけ姫』が好きな人なら好きになるんじゃないか。
登場人物が森を歩く時、大地を踏みしめているようにみえなかったり、人物の動きが人間の動きじゃない(初期の東映の方がなめらか)のが気になるけれど、発色の美しさに癒される。

これは儲けもんと嬉しくなる。☆3つ。

『火要鎮』
  振袖の大火と八百屋お七がごっちゃになっているような筋立て。どちらも江戸の町を焼き尽くした実際にあった歴史的な火事。八百屋お七は文楽や歌舞伎等でも何度でも取り上げられている。それをどう表現するのか、楽しみだった。江戸の町が焼き尽くされるのを楽しみにするなんてと自分に突っ込み入れながら。宣伝でも「圧巻」と聞いたし。
 絵巻物風というアイデアは良いけれど、素地の絵巻がぶれるので見づらい(私の映像だけ?)。飛ばしたくなる。残念。
 火が渦巻く様は見事。火消の仕事も迫力がある。でも、江戸の大火の様は遠景では描かれていたけど、彼岸の火事みたいで、ステンドグラスを見せられているよう。期待はずれで残念。
 (どんだけすざまじい地獄絵図を期待していたんだかってここでも自分に突っ込み)
 少女の狂気・情念を表現するという点では、名優たちの演じた文楽や歌舞伎の方がすさまじい。だからか、燃え盛る大火も熱さを感じない。綺麗な模様かイルミネーション・花火を眺めているよう。もっと、名優たちの演じる様を研究してほしかった。
 大友さんて、感情を持って生きている生身の人に対して関心ないんじゃないか、なんてことまで思ってしまうぐらいにあっさりと描かれている。

う~ん。

『GAMBO』
なんだこれは。言いたいことはわかるんだけど、ストーリーは子どもでも思いつく使いつくされたネタ。同人誌等によくあるよ。戦いの際の骨が砕け散る様は、砕ける音が聞こえてきそうだけど、こんなの見たくない。子どもに見せたくない。これで、一気に評価が下がる。

これだけだとマイナス評価だけど、前の二つがあるから☆1つ。

『武器よさらば』
新宿ルミネ駅ビルの残骸のような景色。ストーリーは、原作が発表された頃なら斬新だったかもしてないけど、他にも、ハリウッドにありそうな。でも絵や役者の軽妙さが心地よい。やっぱり声優がいいとそれだけで作品の出来がアップする。
 そしてラスト。本当に”武器よさらば”ですね。(笑)。世界中みんなこれに気がつけばいいのに、と妙にほっこり。
 そして、このラストの音楽にあれを使いますか(笑)。キューブリック監督の『博士の異常な愛情』を思い出して虚無感を感じつつ苦笑いしてしまいました。

これで評価がちょっとアップ。最終的に表記の評価です。『GAMBO』とオープニングが無ければ、☆3つなんだけどな。

『AKIRA』で感じたドキドキ感がないよ。

とみいじょん