「一歩間違えると笑えないギャグになってしまう荒唐無稽で血塗れな下町ラブロマンス」ある会社員 よねさんの映画レビュー(感想・評価)
一歩間違えると笑えないギャグになってしまう荒唐無稽で血塗れな下町ラブロマンス
成績優秀で昇進を真近に控えた営業課長ヒョンド。可愛がっていたバイト青年の母親ミヨンが自分が青春時代に好きだったアイドルだったと知り少しずつ親しくなっていき、やがてお互いに惹かれるようになっていく。ミヨンと一緒にカフェを経営したいというささやかな夢に目覚めたヒョンドは退職願をしたためて上司に相談するがけんもほろろに断られて、というだけの話なら安い韓流ロマンスですが、ヒョンドが所属する営業2部は殺人請負が専門・・・ということで、冒頭から怪しい連中が次々と血祭りに上げられ、ヒョンドとミヨンの下町ラブロマンスがきっちり鮮血で彩られる、こういう容赦なしの殺戮こそが韓流の魅力です。
キュートなアラフォー、ミヨンを演じるイ・ミヨンはいかにも元アイドルといった感じで美しいわけですが、それより何よりヒョンドを演じるソ・ジソブの感情を押し殺した無表情が実にかっこいい。物語の最後に押し寄せる虚無感が『レオン』ぽい辺りも風流で、一歩間違えると笑えないギャグになりかねない荒唐無稽な筋書きをきっちり感動的に盛り上げています。邦題が余りにも地味なので見過しそうになりましたが、これは結構な拾い物でした。
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