「必見!ハーロック健在!3D+映画館は絶対条件。圧巻です!ただ話が深いので、以下のネタバレ読んでから観ても感慨深く見れます。難しいの苦手な人とハーロックの人となりを理解していない人は読んでからどうぞ。」キャプテンハーロック kuukaaiさんの映画レビュー(感想・評価)
必見!ハーロック健在!3D+映画館は絶対条件。圧巻です!ただ話が深いので、以下のネタバレ読んでから観ても感慨深く見れます。難しいの苦手な人とハーロックの人となりを理解していない人は読んでからどうぞ。
現在46才、初めてハーロックに出会ったのは小学生の頃です。
松本零士先生の名が先頭にあるハーロック。とても期待していました。
期待以上にパワーアップしたハーロックでした。
昔からハーロックは人類にとって本当に大切な事を知っているからこそ私は長年ハーロックに惹かれ、理想像でもあります。
そんなハーロックの考えを、実は仏教でも同じことを教えています。
少し、話が逸れますが仏教は亡くなった人の為だけにあるのではなく、人が生きる為の知恵に重きをおいて説かれています。
今回のハーロックではその辺が良く表現されています。
人は過ちを犯します。主人公のヤマやイソラ、そしてナミその他の登場人物が各々の人生を背負って生き、苦しんでいます。
ハーロックもその一人なのですが、ハーロックだけが唯一本当に大切な事を知っていて、それを行動に移せる強靭な決意を全うしています。
ハーロックはエゴや欲に溺れた醜い人類を諭す為に自らの人生をかけ、地球という物質よりも勇者達(命を守る人達すべて)の尊厳を大切にします。だからこそ、尊厳を失った人類から地球を取り上げる必要があったんです。
やはり、ハーロックは本当のヒーローだと感じました。
カムホーム戦争なる時、地球という物質を無くしてでも尊厳を失った権力者たちや人類の醜い有様を終わらせる必要があったとハーロックは考えたのでしょう。
自分の人生と引き換えに、それが出来る人ってやはりハーロックだからだと思います。
とは言えやはり、地球こそが人類の命の根源。
それをよく知っているのもハーロックです。
だからこそ、ハーロックは小さな希望を追い求めるのです。
ハーロックは100年もの間、本当に辛かったと思います。
ハーロックがエゴでワガママと評価している人がいましたが、そう感じるのはイソラ目線で映画を観ていたんでしょうね。
そうさせたのもこの映画の完成度の高さを感じさせます。
ヤマを優柔普段と評価をしている人がいましたが、それは間違いです。
ストーリーが理解できなかったのでしょうね。
実際はヤマこそが全くブレの無い選択をしています。
ヤマは自分の価値観と尊厳を信じて、自分の置かれた環境をジャッジし人生を選択しています。
だからこそ、ハーロックの暗殺を躊躇したんです。
ヤマの正義は一つ。しかし、ヤマ自身の正義を重んじるとイソラとの正義の考え方に相違が生じます。
実際、現実の我々も人生の中で一番難しいのが自分の正義と誰かの正義は違うということです。誰かの正義は、立場が変わると誰かにとっては悪となることです。
人が集まれば正義の数は人の数だけあり、その中で自分の正義を貫くのか、それとも長いものに巻かれるのか、また事なかれ主義を通すのか。
難しい選択です。
ヤマは実はそんな私たちのような一般市民的な考えの方の存在。
そして、何が本当に正しいかを見極める為に自分の物差しで人生を選択していく姿は、我々現実社会の人間にもエールとして受け取れます。
尊厳を重んじるハーロックか、地球を住めない惑星にし人類から地球を取り上げざるを得なかったハーロックを悪と考えるイソラか。
きっと、この映画の批判をする人はこの映画の本質、つまり松本零士先生の人生経験の知恵を読み取れなかった人たちだと思います。確かに難しいと思いますが、その分非常に読取るべき方向性の多いメッセージたっぷりの映画です。
因みに、ハーロックファンの方。他の方の意見の様な悪者的な要素は全く無いです。
万が一あるとすればハーロックは海賊であることだけでしょう。
ハーロックは松本零士先生の父親像(と私は捉えています)。だから、変わる事はありません。
ハーロックは昔通り。ちゃんとハーロックです!!
この映画のテーマは今まで通り[永遠の命」です。
[映像]
3Dなら凄い。
アルカディア号どでかい!