「悪いおじさん。」悪いやつら ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
悪いおじさん。
名画座上映で観たもう一本。
こちらのハ・ジョンウも、相変らずカッコ良かった。
だけど主人公はアイツ(爆)約10年前に「オールドボーイ」
で一世を風靡した、あのチェ・ミンシクの方である。
シネコンでもらう小冊子の中に面白いコラムがあって、
そこに書かれていたのが今作だったことを思い出した。
(そのとたん、噴き出しそうになったけど)
ミンシクおじさん…ヒキガエルみたいになっちゃったな。
まぁあの頃から決してカッコ良くはなかったけど、
今作ではその図体(歳もとったでしょうけど)に劣らず、
まぁ~ヌケヌケとモノを云うクチだけ達者な小物オヤジ。
これがまた、エラ~く似合っているのだ。
税関職員の立場を悪用し、賄賂や横流しで私腹を肥やした
主人公も、不正が発覚してあえなくクビに、すると今度は
押収麻薬から裏社会のボスに接近し、その男が遠縁と判明
するや、早速取り入ってコンビを成立、街を牛耳り始める。
まったくこの小物親父が…と思うこと冒頭から最後まで~。
ミンシクおじさんに寸分の共感も齎されない演出が見事!
加えて台詞がダラダラ続き、アンタの処世術を聞くための
映画なのかよ?と思うくらいにミンシク節の独壇場。
(見栄えのないダラダラ感にこっちまでダラけてくる)
小物ぶりから詰られ嫌われ殺されかけても、彼は死なない。
どこまでしぶといんだ?というくらいに彼は終わらない。
本当にオーラのある人間(主導権を持てる人間)は案外儚く、
器用に立ち回る人間の方が気付けば全権掌握しているという、
日本の戦国時代にも通用する騙しっぷりがお見事なのだが、
如何せん、あのミンシクおじさんの黒皮の手帳が悪の巣窟。
結局のところ、アレがものをいうことを証明する。
こうはなりたくないよねぇ…と思いながらも、
こういう奴いるよね?と指を指したくなるご近所感が怖い。
(でもね、いつかは報復されるから。そこも観てみたかったり)