遥かなる勝利へのレビュー・感想・評価
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戦争と平和のように、市井の人たちが描かれている
『貴方は大物だが、小物がいないと貴方はひきたたない』と言ったセリフが出てくるが、トルストイの『戦争と平和』にはそういった思想が隠れている。だから『戦争と平和』にはナボレオンやクトゥーゾフよりも、市井の人たちが描かれている。
ロシア祖国を救った英雄として描かれているが、戦争と平和のペーチャと同じ運命が待っている。愛国心とかナショナリズムを煽ると言うよりも、トルストイが戦争と平和の中で言いたかった事をこの映画では語っていると思った。
ロシア、ウクライナの権力者にこの映画を見せたい。侵略する側のドイツを含めて、色々な民族が登場するが、はっきり、民族名が語られるのは『ロマ族』だけ。ロシアは多民族国家だと思い知らされた。
言うならば、悪者が一切登場しない、戦争映画だと思う。みんな臆病に震えているだけ。
この映画は傑作だと僕は思う。
荒唐無稽なところもあるが
最後の要塞の大爆発などは中々意味不明で笑えた。
最後の邂逅は感動的なのだが、娘が地雷を踏んでしまうのが間抜けで
ちょっと興ざめした。
が演技の賜物か次第に感情移入して悲しくなった。シナリオが惜しい。
そして爆発とともに終わる。これは美しい。
何か非常に惜しいなという印象。前作も見てみるつもりである。
あの名作の続編なのだが
‘94「太陽に灼かれて」からの3部作の完結編。
「太陽に~」のあの素晴らしい映像はどこへ消えたのだろう。全編に漂っていたサスペンスも、今作には感じられない。同じ映画作家が撮ったのだろうか。
いくら名作を撮った人でも、その期待に応え続けることは不可能に近いのだろう。それと、あの時代と現代の映画製作をとりまく環境の違いも大きいのかも知れない。製作資金、フィルムからデジタルへの変化、政治思想やイデオロギーへの観客の反応、それらすべてが20年前とは大きく変わってしまっている。なかでも観客の変化が一番大きいのだろう。映画的な編集技法や隠喩表現を理解しない人々にも観てもらえるもの作らなければならないのだから、昔日の名作と同じやり方は選択できないのだろう。
地雷を踏んで父娘の別れなんてあっけなさすぎる。
堂々たる作品です
3部作最後の作品とのことですが、私は第1作「太陽に灼かれて」を観ておらず、第2作「戦火のナージャ」から観ました。しかし、第1作の人間関係が分からなかったので、消化不良で観終わった感がありました。そこで、今回は予め予習をしてから観たのですが、これが正解だったように思います。とにかく、ロシアらしいと思わせる堂々たる大作で、描き方その他はクラシックかと思いますが、ストーリー、映像とも非常にスケールの大きいもので、非常に感銘を覚えました。これを観て、第1作や改めて第2作も観てみたいと思いました。前日に「それでも夜は明ける」を観ており、たしかにそちらも上出来だと思いますが、私にとってはこちらの方がより感銘が深かったです。福岡では1週間のみの上映が惜しいです。
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