「ドキュメンタリ番組の豪華版」コンプライアンス 服従の心理 crawlonさんの映画レビュー(感想・評価)
ドキュメンタリ番組の豪華版
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実話ベースのため物語に対する「批評」は困難であるが、そもそも映画化する意義は何だろうか、と感じてしまう作品。
「服従の心理」という副題からして、巧妙な話術・知的な犯人像を期待しがちだが、そのようなサスペンス要因は皆無で、淡々と進む事実の「再現」は静けささえ覚えさせる。
追体験など出来る題材ではないだろうから、終始「そんな馬鹿な」とスクリーンと観客席との完全になる分断を実感せざるを得ない。
しかし、ほんの短いニュースに違いない事件を、ほぼ時間尺通りの映像とするのは、いっそう好奇心を駆り立てるし、こんな「何の変哲もない犯人の何の変哲もない言葉」だけで堕ちる可能性があるという事実こそ、興味深いのかも知れないと振り返る。
飽くまでも当事者と第三者との間には大きな溝がある。
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