ブルーノのしあわせガイドのレビュー・感想・評価
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教師には出来なくて父親には出来ること
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突然の“子ども”(自分の子どもかそうでないかにかかわらず)の出現によって人生を変えられたり、見直すことになる主人公を描く作品は珍しくなくて、ちょっと昔の作品ならヒュー・グラントの『アバウト・ア・ボーイ』やハリウッドでリメイクされた『マーサの幸せレシピ』、最近なら『人生、ブラボー!』、日本のTVドラマ『マルモのきもち』もこの系譜の作品だろう。
今作もその系譜に連なる作品だが、違うのは、主人公のブルーノが前述の作品の主人公に比べてかなり上の年代に属するということ。
気楽な独身のひとり暮らしの彼の生活が大きく変わることはないだろう。彼がこれまでの生き方を大きく変える訳ではないのだ。
確かに今までは補習塾の生徒のひとりとして接していたルカが自分の本当の息子だと分かったことは彼にとって予期せぬことだったにせよ、この事実で大きく影響を受けることになったのはルカの方だ。
教師としてならば、物分りのいい大人として無責任に接することが出来ても、父親となればそうはいかない。
もしも、ブルーノがルカに対してあくまで教師であったらなら、彼は道を踏み外ししていたかもしれない。
父親だからこそ、一歩踏み込んで介入したのだし、母親もブルーノが父親でなければルカを預けたりしなかっただろう。
ルカはブルーノの存在によって踏みとどまることが出来たのだ。
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