黒いスーツを着た男のレビュー・感想・評価
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事故で交錯する三人の人生
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このタイトルからして、もっともフィルム・ノワールっぽいものを期待してしまったので、ちょっぴり肩透かし。
社長令嬢との結婚を控えたアルは、ある晩仲間と羽目を外し、交通事故を起こしてしまうが、救急車を呼ぶこともせずにその場から逃げ出してしまう。
事故の目撃者ジュリエットがひき逃げ犯人に憤り、病院で見かけた加害者アルを尾行し、身元を突き止めるも、極悪人と思い込んでいた犯人が思いの外普通の道義心を持った人間だったので、ショックを受け動揺するアルに逆に同情してしまう。
一方、被害者の男はヨーロッパ最貧国と言われるモルドヴァからの不法移民。
必死の思いでフランスに渡って来た夫婦の厳しい現実。
社長令嬢と結婚し人生順風満帆に見えたアルも手に入れたはずの成功にも居心地の悪い思いを抱いていた。
ストーリー設定としては、ありふれているけれど、移民問題はヨーロッパならではか。
役者の演技は手堅く、それなりに見せるが、どうしても作品としての小粒感は否めない。
あともう一捻り欲しいところ。
ラストで見せるアルを演じるラファエル・ペルソナの全てから解放されたような柔らかい表情は印象に残る。
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