「ビッグウエンズデーとはちょっと違った」マーヴェリックス 波に魅せられた男たち KIKUCHIYOさんの映画レビュー(感想・評価)
ビッグウエンズデーとはちょっと違った
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爽やかな海風と西海岸の波で涼もうかと思ったら、背筋が凍りつくような大波に挑む話だった。人はなぜ、マーベリックスのようなビックウェーブに魅せられるのだろうか?
冒頭、主人公の少年の姿が映し出される。彼は、波打ち際で波の間隔を計っているという。少年に、襲いかかるように大波がのしかかる。少年は、冷静だ。まるで 呑まれて死んだとしても、宿命だと言わんばかりに。このシーンが、主人公の早逝を予感させ、印象に残る。
その雰囲気は、そのまま画面に残り、取り憑かれたように、大波乗りに没頭する少年の情熱は、生き急ぐ人の情熱のようで、寂しさを感じさせる。
さらには、彼が挑戦する波が、死と隣り合わな危険極まりない代物のせいで、いつ不幸が起きるのだろうと、ハラハラしながらスクリーンを見つめる。ドキュメンタリーでは出せない緊張感だ。それにしても、凄まじい波だ。実写?と目を疑りたくなる。
エンドロールに、本物のジェイが自らを語る。彼は、幸せな人生を送った。普通、何のための人生だろうと、自分で考えているうちに天寿を全うしてしまうのに、彼は、初めからそれに気がついていた。彼の不屈の闘志と情熱は、きっとそこから生まれるのだ。
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