言の葉の庭のレビュー・感想・評価
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日常に潜む奇跡の断片
この映画は前作の星を追う子どもとはうってかわって、現代の日本、東京の新宿が舞台。
梅雨の時期の憂鬱を恋(孤悲)の始まりに結びつけた。雨の日、奇跡的に二人は出会う。
この作品は高校生男子の年上女性への憧れと、思春期ならではの自分に降りかかる問題への向き合い方を描いている。
そして主人公を高校生男子にして相手役を10歳ほど上の女性にすることによって、男性のフェチズムを刺激する作品になっている。
更に主人公男子を靴職人志望にすることによってヒロインの足を触るシーンが出てくるが、これも他の作品ではあまり見ない上手な設定を使ってフェチズムを刺激しているなぁと感じた。別に自分は脚フェチではないけど。
相手役のヒロインもいくつかの問題を抱えていて主人公と出会うことによって今までの考え方を見直すことになる。
作品では約2ヵ月程の時を50分弱に凝縮しているが、雨のシーンや落ち着いたBGMで観ていてリラックスできる。
これを観れば新宿御苑行ってみたいと思うこと間違いなし!
実物のこの休憩所見たら思ったより小さかったのは内緒。
秦基博のrainもこの映画にマッチしていて良かった。
背景は相変わらず綺麗。
湧き上がってくる感動の暴力
途端に畳み掛けてくる胸を打つような感動に思わず涙が溢れました。
言葉で上手く説明できないけど、何かが湧き上がってくる、そんな作品でした。
とにかく絵が綺麗。実物よりも綺麗で、ハッとさせられるシーンがいくつもありました。
夜、眠る前、朝、目を開く瞬間、気付けば雨を祈ってる
映画「言の葉の庭」(新海誠監督)から。
久しぶりに、私のお気に入りのツボを刺激したアニメ作品。
「ラブストーリー、足フェチ、水と緑がお気に入り」の私には、
これ以上の作品は、これからも出てこないかもしれない・・と、
1人で、何回も何回も観直した。(46分という長さもGood)
さらに「万葉集」(短歌)という短い言葉で、自分の想いを伝える、
そんな展開に、ますますのめり込んだのかもしれない。
ストーリーは単純に見えるけれど、メモした台詞を眺めると、
あまり多くのモノを詰め込まず、一つひとつの台詞が、
とても丁寧に語られ、静かであるが印象に残るシーンが多かった。
「雨の日だけの逢瀬を重ねて心を通わせていく主人公ふたり」が
共通している想いは、この台詞に込められている。
「夜、眠る前、朝、目を開く瞬間、気付けば雨を祈ってる」
そんなにきっちり守らなくてもいいのに・・と感じながらも、
だからこそ、会えない時間が、切なさを増長させる。
空から眺めた新宿御苑の緑の中を紅白の傘が近づいていく描写や、
雨が降ることで立ち上る土煙や、雨上がりの虹などの描写に、
映像では感じるはずのない、匂いや気温なども感じることができた。
彼女の足にそっと触れ、ゆっくりゆっくり採寸するシーンなどは、
アニメと知りつつ、ドキドキしてしまった。
静かさや緑、雨といった、作品全体を包み込んでいるトーンが、
私を心地よくさせてくれたに違いない。
46分の時間があれば、何度でも観たくなる作品である。
映像美に尽きる
この作品の凄いのは、映像美。
とにかく凄い。
たまに実写かと思うぐらいのカットもあるし、(絵だけに)実写以上の美しいカットもある( ゜o゜)
ストーリーは、まずまず。
もうちょい長いストーリーにしても良かったような…
ただ、高校生が入場料払ってまで、サボりに新宿御苑入るかなぁ~?とは思ったりもする…
雨の描写が美しい
君の名はの新海監督の旧作ということでTV鑑賞。
高校生の男の子と年上の女性との恋愛物。
靴職人を目指す15歳男子、ってちょっと渋すぎ(笑)
50分足らずの作品ということでストーリーは割とあっさりしている。
しかし作画がとにかく美しい。
風景・自然描写、特に雨の描き方が素晴らしいです。
映像美!
君の名はをみてから見ました。
やはり映像が綺麗でいろいろと細かい所まではっきりとあって凄かったです。
映像が綺麗なのもあってより映像だけでそのシーンの雰囲気や感情が現れていてさすがという感じです。
こんな出会いが普通に考えたらあるわけないんだろうけれど、こんなことがあったらいいのにななんて思いました。
雨の後はいつも晴れ
背景がとにかく綺麗でそこからこの世界観に引き込まれていきました!
人生の淵からもう一度立ち上がろうとしている1人の女性と
夢に向かってがむしゃらに真っ直ぐ進み続ける1人の学生
お互いが出会う日はいつも雨
雨があるから美しい虹が見れて
晴れの日をありがたいと思える、
そんな情景描写ともとれる雨がいい味を出していると思いました。
彼らの葛藤や苦難、その先に待つ希望の未来が
雨に暗示されているように感じられてなりません。
作り上げた靴をあの場所に置きに来た学生の姿。その素直な学生によって、救われた1人の教師が故郷で再び教鞭をとる姿。
2人ともが一歩踏み出せたその姿に
心が温まる、とてもいい作品でした。
ここまで出来るなんて
君の名は。がとても面白かったので、こっちも観賞。
日本のアニメーション技術は高いというのはニュースで知っていたけど、ジブリでもないのにこんなに綺麗な映像が見られるなんて感動しました。
キャラクター達は言葉をとても繊細に、丁寧に扱っているように思える。
全部言葉に出すんじゃなくて、沈黙とか動作とか行間で、伝えようとする。考えさせようとする。ショートストーリーなのに、ぐっと心掴まれたような気がします。
言の葉の庭
映像が素晴らしいよね。特に街の風景や雨がよかった。
エンディングが流れた時にその後どうなったんだ?って感じでなんか煮えきらない感じあったけどちゃんと最後にその後が描かれててよかった。
ゆきの先生かわいいし、足キレイだった。
90分か120分ぐらいで観れたらもっと面白かったかなと。
自然描写が例えようもなく美しい
映画:「言の葉の庭」
英語題名:「GARDEN OF WORDS」
監督 製作:新海誠
音楽:大江千里
歌: 秦基博
ストーリーは
15歳のアキズキ( 秋月孝雄)が他の高校一年生に比べて、大人びているのには理由がある。父の居ないシングルマザーの家庭で、母親はひとまわり若い恋人と家出中、兄も近々ガールフレンドと同棲するために家を出ていく。家事は全部自分でやっていて、料理も自然と上手になった。
彼は雨の日が好きだ。子供の時は、空はもっと近くにあった。空の匂いを連れてきてくれる雨が好きで、そんな日 彼は学校に行かず、新宿御苑に行って雨の音を聞く。
ある日、アキズキが雨の新宿御苑の自分の定位置、東屋にいくと珍しく先客が居た。見ると彼女はビールを飲みながらチョコレートを食べている。変な人だ。以降、何度も雨の日にはアキズキの居る東屋に彼女も来ていて、二人は自然と話をするようになる。アキズキの作って来たお弁当を二人で分けて食べたり、家事のできないらしい彼女の作った、出来損ないのお弁当を分け合ったりしながら、二人は互いに会話をすることが楽しくなってくる。ふだんは口の重いアキズキも、この女性ユキノ(雪野百香里)を相手にすると、自分が進学をせず靴を作る靴職人になりたいという夢を語ることができる。ユキノは 喜んでアキズキの靴のモデルになってくれた。彼女は、いろいろあって、社会の重圧から歩くことができなくなっていて、歩く練習をしているのだという。
アキズキは、まだ自分が子供で父親が居て幸せだった頃、父が母の誕生日に宝石のような美しい靴を贈り、母がことのほか喜んだときのことが忘れられない。靴が母を喜ばせたように、自分が将来 美しい靴を作って、人を喜ばせたい。次第とアキズキはユキノが歩きたくなるような靴を作って贈りたいと、願うようになる。雨の日には会える。二人は互いに雨の日を待ち望むようになる。
ある日、アキズキは学校でユキノを見つけて、驚く。ユキノはアキズキの通う高校の古典の先生だった。彼女は学年で女生徒から人気のあった男の先生と関係を持った、という悪意のある噂が流出して、登校できなくなって休職していたのだった。ユキノ先生は、自分のことは、学校で多くの人に知られていたので、アキズキも自分のことを知っていると思っていた。アキズキは、ユキノを不憫に思い、悪意の噂の元になっていた先輩に向かって行って、さんざんにぶちのめされる。
翌日大雨の日に、二人は再び御苑の東屋で出会う。台風が接近していて、突然の豪雨にあって二人はずぶ濡れになる。ユキノは、ぬれねずみになったアキズキを自分のアパートに連れてくる。服を乾かしている間、アキズキはユキノのためにオムレツを作り、ユキノは熱いコーヒーを淹れる。二人して雨の音を聞きながら、二人して自分が今世界一幸せだと思う。
アキズキはユキノに、好きだと告白する。でも、恋愛に臆病になっているユキノはそれをまっすぐに受け止めることができない。拒否されて、傷ついたアキズキはユキノを、激しく責める。アキズキの悲鳴のような言葉を聞いて、ユキノはいままで自分の押さえつけて来た気持ちが爆発してアキズキに抱きついて泣きじゃくる。
というお話。
この映画は、「君の名は」に比べると短編だが、ストーリーも絵も、こちらの方がずっと良い。
15歳の少年が、27歳のちょっと不良で挙動不審な女性に出会って、話をするうちに打ち解けて好きになっていく様子が、とても自然だ。恋をして、恋を失いそうになったときの一生懸命なヒリヒリと痛む少年の心が痛いほど伝わってくる。ポール 二ザンは、「20歳が美しいなどと誰にも言わせない。」と言ったが、若さは美しいどころか、みじめで苦難に満ちたものだろう。好きな人ができて、心が舞い上がり、それがバウンドをつけて突き落とされる恋を、だれもが経験しながら大人になってきたのではないか。アキズキの悲鳴のような叫びをあげ、ユキノの号泣のように大量の涙を流しながら。
アキズキは学校でははぐれ者だったし、自分の話をよく聞いてくれる人が必要だった。大人の女性が自分の靴職人になるという夢に きちんと共感し、支持してくれて嬉しかった。ユキノはユキノで、妻子ある教師との恋愛が原因で、職場でトラブルを起こし、傷ついて生きる目標を失いかけていたが、一つの目標にむかっていくアキズキとの出会いが、何よりの励ましになった。アキズキとユキノは互いを必要としていて、その求心力が愛情を呼び起こした。相手を必要とする互いを求める力は、純粋で自然なことだった。
社会の重圧から、食べ物の味がなくなり、職場に通えなくなり、歩けなくなったユキノのために、アキズキは靴を作り始める。そんなまっすぐな本心を告白するアキズキに、ユキノは、「靴が無くても一人で歩けるように練習していた。」と言って強がってみせる。社会の壁にぶつかり、教師としての制約を思い知らされ、人格を壊されていたユキノには、アキズキの心情をまっすぐ受け取ることができないでいる。泣きじゃくり、泣き続けることでしか自分の気持ちを伝えることができない。
そうすることが、ユキノの魂の再生への過程だった。
最後にアキズキは独白する。「歩く練習をしていたのは、あの人だけでなく僕もそうだったのかもしれない。いつかもっと遠くまで歩いていけるようになったら、あの人に会いに行こう。」 そこまで言える心境に達したアキズキの大人の態度が立派だ。まさに、
「雷神の少し響みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ」
「雷神の少し響みて 降らずとも我は 留らむ 妹し留めば」
画面の自然描写が例えようもなく美しい。
本当のことを’伝えるために少し嘘を使った方が本当に近くなる、という表現方法の例えがあるが、アニメーションという方法でここまで本当の雨を表現できるということに驚愕する。雨が降りはじめ、水たまりができて、水面に鮮やかな緑が映える。雨の音を聞いていると、雨から匂い立ってくる雨の匂いが呼び起こされ、雨を感じることができる。雨の音が強弱を繰り返し、緑の木々が揺れ、風を感じることができる。空から雨が落ちてくる様子が自然を写した本物のフイルムのように、生き生きしている。高層ビルに囲まれた新宿御苑の緑が雨に濡れ、鮮やかさを増し、生き物すべてに命を与えるように、輝き始める。雨に濡れて木々が息を吹き返すように、若い男女の魂も再生する。雨によって二人の命が生き返る姿が目に見えるようだ。
美しい映画だ。
雨の日の新宿御苑の若い男女二人
2回目。新海誠による2013年の、45分の短編。絵柄は繊細かつリアルで、ストーリーも謎めいている。しかし、とてもシンプルなお話だ。高校一年の梅雨から冬にかけての半年間。
15歳の高校一年生のイケメンの男の子が主人公。
都内に住む20代後半の物憂げな女と、高校一年の男子が新宿の森の中の公園で雨の日に出会う。入場料は500円、アルコールの持ち込みは禁止になっている。アルコール禁止の場所で仕事に行かずビール飲んでるんだから法令遵守の公務員であれば、かなりやばい状況ではあるが、そういうやばい女と不登校寸前の15歳の男の子。
男の子は母子家庭の次男で、兄が女と同棲を始め家を出て行き、母も恋に忙しくて子にかまわず。弟は靴職人になりたくて自分で靴を勉強し、作り始めている。専門学校に進む道を考えて、バイトも始めた。
女の方は、少し心を病んでいるせいか、味覚障害になっている。仕事にも行けてないようだ。何ヶ月かの間に、彼女がふんぎりをつけて、仕事を辞めるまでの期間の物語。
なんてことない話だ。しかし、お互いにその存在を必要としていたことが明らかになって映画は終結する。
「君の名は」のような、大きなウソもなく、話もかなり小さなものだが、風景描写など素晴らしい。
天気の子が気になる。
繊細で優しい恋と、心の闇、弱さ。
監督の、映像美はいつも通り。
視覚的に美しい映画。
内容は、触れると壊れてしまいそうな2人の
繊細で優しい、少し暗くて、でも何だかキュンとしてしまうストーリー。
息苦しい現代社会に生きる私達の、誰もが1歩踏み外す可能性のある闇。
人との出会いの素晴らしさ、存在価値。
短い時間の中に綺麗にいろんなテーマがまとまってて、それを主人公2人で描いているところが素晴らしかった。
綺麗な涙が流せる映画です。
全235件中、121~140件目を表示