劇場公開日 2013年5月31日

「昔から言葉(詩)に込めて想いをつたえてきた歴史や雨の良さを噛み締めて観る作品」言の葉の庭 ポップコーン男さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0昔から言葉(詩)に込めて想いをつたえてきた歴史や雨の良さを噛み締めて観る作品

2023年2月16日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

幸せ

まずはじめに、個人的に雨が非常に好き。

雨には特別な魅力があり、子供の頃から空から落ちてくる水の雫が不思議で仕方なかったし、窓に打ち付ける音・傘に当たる音・地面や水面に打ち付ける音が心地よく雨の日に布団にくるまって寝る時なんかはなぜか高揚感があった。

車でドライブする時の窓に流れていく水の形やネオンライトが写り込んだ美しい情景は子供の頃に後部座席で見て楽しんだり、自分の運転であっても楽しい。彼女がブチギレて起こっていてもそっちのけで見てしまうこともw

だから主人公のタカオとは違った意味で起きたときに曇っていたり、雨が降っていると何故か嬉しいw
他の人が快晴の日に「わあ、めっちゃいい天気!!」とか言っているのも「どこがやねんw」と共感はあまりできないw

新海先生の情景の描き方はいわずもがなだが、見ていても非常に美しくまさにひきこまれていくようだ。

なにげない日常を切り取ったからこそリアルさがあり、そこに息づいている人たちがいて、自分を投影したりが容易にできてしまう。

46分の短い間に駆け抜けるように物語が進んでいくが、ゆっくりと二人の距離感や設定を飲み込んでいける。

物語としてはありきたりであり、突出した演出や内容ではないのだが、やはりそこは新海監督の旨さと言うか心の機微を丁寧に描き、ドキドキする男子高校生を描いている。

また人の心の弱さや気持ちを伝える難しさ、また伝える大切さを表現している。ラストの雨の上がるシーンはやはり演出が素晴らしくニクいw
「Rein」の挿入が素晴らしい。
その他の場所でも音楽がうまく使われている。

色々な形で「詩」等にのせて心を伝えてきた歴史を短い作品の中で感じる事ができた。
また雨の魅力がより一層この作品を観ることで感じることもできる。

改めて素晴らしい監督であり、(自分には無いが)センスの高さも感じた気になってしまうw

ポップコーン男