「年上女性」言の葉の庭 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
年上女性
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総合70点 ( ストーリー:70点|キャスト:75点|演出:75点|ビジュアル:85点|音楽:70点 )
雨が降る公園で午前中にのみ二人は会う。緑をいっぱいに映す水面が、ここが世界有数の大都会の中にある憩いの場所となる。雫が落ち水が流れるような透明感のある音が風景に溶け込んだピアノが心地よい。
二人の人生はほんのちょっと交差しただけ。それでもその出会っているときは、困難な夢に向かう少年と追い込まれた女性が自分をさらけ出して本当の自分になれてちょっとだけ救われる時間だった。
風景やちょっとした場面の描写に言葉を使わず思いを語らせる。そうかと思えば主人公たちの語らいを入れて文学的に状況と気持ちを表現する。相変わらず新海監督のそんな演出が上手い。映像も初期の作品よりさらに進化している。
脚本の方は、会ったことがあるという会話・和歌・仕事・女性のつぶやく不安と、伏線を張って回収が上手い。
私事だが、今月ある場所で会ったある男の人は、彼が中学生の時の教師と結婚したのだと教えてくれた。そんなことが実際にあるんだなと驚いた。最初はちょっと非現実的と思った2人の関係だし2人がその後どうなるのかわからないが、この話を聞いてもっと現実的に感じた。『君の名は。』でもそうだったが、新海監督は年上の女性が好きなのかもしれない。
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