劇場公開日 2013年5月31日

「映像美に注目」言の葉の庭 ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0映像美に注目

2016年11月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

萌える

映像の美しさが印象に残る。雨や木々の緑、風のそよぎなど、絵画を見ているようであり、それが作中人物の心情と重なり情緒が深まっていく。「雨」がひとつのモチーフになっているが、雨が現実世界から、人物を隔てた閉ざされた空間を演出していることに注目した。高校生のタカオは、靴職人という今の学校生活とは、かけ離れたところにある仕事をしたいと夢見る。ユキノは仕事で傷ついて前に歩きだせない心を抱える。そんな孤独な二人を雨がそっと包み、徐々に心がマッチングしていく。雨は時に優しく穏やかに、時に激しく荒々しく、それは二人の心と同じである。終盤の雷雨のシーンが印象的である。
時間が短いこともあり全体的に淡白な感じである。違う作品になってしまうかもしれないが、時間をかけて二人の心の交流を描いたものを見たいとも思う。

ガバチョ