コリドーのレビュー・感想・評価
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自宅にて鑑賞。カナダ産。感覚的にオープニングは倒置法かと思ったが、時間軸は一本で流れていた。ゴア描写はマイルド目乍ら、効果的。ソレゾレのトラウマを抱えた登場人物達に片田舎で起る舞台設定──もっと具体的には『ドリームキャッチャー』のシチュエーションに、ストーリーは『トミーノッカーズ』とS.キングの影響を色濃く感じた。M-Cチザムの“(特にビデオ内でサインを繰り返す)ポーリン・クローレー”が不気味で佳い。やや難解で、観る人を選ぶのだろうが、S.キング好きと云う事で、少し甘い目の採点で、70/100点。
・しばしば“エヴァレット(エヴ)・マネット”役のジェームス・ギルバートはK.ブラナーに、“クリス・コモー”役のD.P.フレミングは西川忠志に見紛った。
・鑑賞日:2013年7月17日(水)
静かな恐怖
突如現れた光の壁のような存在に触れたことで、思わぬ力を手にいれた若者らに降りかかる狂気じみた恐怖を描いたホラー。
SF要素もあることはあるが、これはほぼホラーの部類に入るだろう。
今は亡き主人公の母も絡んでくるのだが、陳腐なSFホラーとは違い、登場人物らのやり取りを丁寧に描いており、低予算ながら緻密に作り込まれているのが伺える。
また、演者らの演技が凄い。
徐々に「それ」に蝕まれ、精神に異常をきたす様を見事に演じきっているのがかなりの好印象だ。
あえて謎のままエンドロールを迎えるものもあれば、ただ単に説明不足な部分もあるものの、観賞後に考察したくなる作品だった。この手の作品は、自身の中で考えを膨らませながら観るのに最適だろう。
背筋がゾクっとする
背筋がゾクっとする怖さがあり、鑑賞後、部屋の片隅にある暗やみが怖く感じるような余韻の残る映画だった。
ちょっとグロいが、見た目に気持ち悪いモンスターのようなものは出てこないし、「怖い」というより「驚かされている」だけといった類ではない。
心理描写が丁寧で、その分前半はやや退屈に感じられるが、セリフではなく映像で現状を説明していて上手い。
特に精神的な病に侵されているタイラーが、誤ってカップを割った時の友人たちの様子などよかった。
コリドーがなんだったのか謎は残ったままだが、そこに踏み込まなかったことでホラーにありがちな話の破綻や正体の陳腐さを回避できている。ラストで釈然としないものは残るが、あえて明かさなかったのはコリドーを何かほかのもの、例えば権力など、人が争いあって奪うものに読みかえたりさせたいからだろうかと思った。
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