「【”スポーツで育まれた強き絆は、朝鮮民族分断ラインを越える。”今作は南北朝鮮統一の”チーム・コリア”が卓球世界選手権で、快進撃した実話をベースにしたムネアツな物語なのである。】」ハナ 奇跡の46日間 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”スポーツで育まれた強き絆は、朝鮮民族分断ラインを越える。”今作は南北朝鮮統一の”チーム・コリア”が卓球世界選手権で、快進撃した実話をベースにしたムネアツな物語なのである。】
ー 大韓民国の新しき大統領が決まった。
今後、対北朝鮮関係がどのように進むのか分からないが、今作を観ると不可能と言われている南北朝鮮の早期統一を願ってしまうのである。-
■韓国卓球界のスーパースター選手、ヒョン・ジョンファ(ハ・ジウォン)の元に、世界選手権に向けて、南北統一チームが結成されるとの報せが舞い込む。
参加を決意したジョンファだったが、顔を合わせたエース、リ・プニ(ペ・ドゥナ)を代表とする北朝鮮の選手達は笑顔はなく、軍隊の様で、練習方法や考え方が異なるために、些細な事で衝突をしてしまうのであった。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・前半はコミカル要素多めに進む。韓国監督のイ・ウンイル(パク・チョルミン)が、北朝鮮の監督チョ・ナンプンが統一チーム監督に指名された事で、悔しがる姿。
・韓国、男子選手たちがおちゃらけて居るのに対し、北朝鮮男子選手のエース、チェ・ギョンソプ(イ・ジョンソク)の真面目な姿に、恋をする韓国選手チェ・ヨンジョ(チェ・ユニョン)。
で、思いっきり分かり易いアタックをするも、戸惑う彼から”妻が居ます。”と言われて号泣するシーン。クスクス可笑しい。マア、気持ちは分かるよ。
けれども、後半に明かされるチェ・ヨンジョの分かり易いアタックに驚いたチェ・ギョンソプが付いた嘘であった事。
そして、彼が言った“貴女の事は好きです。けれども、試合が終わったら逢えなくなってしまうから・・。”
・ヒョン・ジョンファと、リ・プニも最初はお互いにライバル視して、仲が余り宜しくないが、北朝鮮のユ・スンボク(ハン・イェリ)が不調でペアになる事になり、徐々にお互いを気遣って行く姿がとても良い。
特に、肝炎を患っているリ・プニをヒョン・ジョンファが気遣い、逆に父が病床に居るヒョン・ジョンファをリ・プニをが気遣い姿。
そう、歩み寄りは相手の立場を考えて接するところから始まるのである。
・中国のエース、ドンがムッチャ不愛想で、イジワルーに描かれているのも、お約束だが良い。韓国、中国から怒られなかったのかな、クスクス。
序に言うと、日本チームは韓国の放送団から”格下”などと言われているが、今は強いんだぞ!!
■だが”チーム・コリア”内で、南北選手が仲良くなり、韓国選手たちが北朝鮮選手に色々と贈り物をしていた事が北朝鮮監視団にバレてしまい、強敵ハンガリーと韓国選手だけで臨むシーン。
北朝鮮選手たちは部屋に幽閉されるのだが、ヒョン・ジョンファとチェ・ヨンジョの活躍により、決勝に進んだ時に北朝鮮監視団の選手の部屋の前に立つ怖い人達が、一瞬だけガッツポーズをする姿がとても良い。
同じ民族だもんな!
けれども、チェ・ヨンジョは足首を捻ってしまうのである。
■そして、迎えた決勝の中国戦の前。
ヒョン・ジョンファは、雨が降る中、ホテルにいるチョ・ナンプン統一チーム監督に土下座して、”北朝鮮の選手たちと戦いたい!”と頼むシーンは沁みたなあ。全韓国選手、コーチも一緒に跪いて頼む姿をホテルの窓から、涙を流しながら見るリ・プニ達、北朝鮮の選手達。
その姿を見て、チョ・ナンプン統一チーム監督は命懸けで北朝鮮監視団隊長に、北朝鮮選手を”チーム・コリア”に戻す事を依頼するシーンも、ムネアツである。
■中国戦では、”チーム・コリア”は復活し、激戦の中、勝ちを重ねて行き、最後のダブルス。ヒョン・ジョンファとリ・プニのペアは得点を重ねるが、攻撃のリ・プニが肝炎のため突然倒れるも、ヒョン・ジョンファに”攻撃は飽きたわ。あと、私は貴女より一歳年上よ!”と言い、彼女に攻撃を任せるシーンや、リ・プニの高くボールを投げ上げるサーブの際に、トスしたボールが回転していると指摘され(ルール違反。)ながら、そのスタイルを変えずにトスしたボールが無回転で投げ上げられるスローシーンは、ハラハラしたなあ。
で、見事に”チーム・コリア”は、大強敵中国を破るのである。感動するなあ。
・で、別れの際の韓国、北朝鮮選手たちの涙の姿や、エンドロールで流れる当時の実際の写真もムネアツなのである。
ヒョン・ジョンファが涙を流しながらリ・プニの事を”お姉さん!”と呼ぶ姿・・。
<今作は南北朝鮮統一の”チーム・コリア”が卓球世界選手権で、快進撃した実話をベースに南北朝鮮統一の”チーム・コリア”が絆を育み、試合を勝ち抜いて行く姿を描いたムネアツな物語なのである。いやあ、今作は、沁みまくりましたよ。>