劇場公開日 2014年4月19日

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「「世界には私たちが必要」というセリフにゾッとする」キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー ドラコさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0「世界には私たちが必要」というセリフにゾッとする

2021年10月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

これが転機だったと思う。

今や大人気のMCUだが、特にキャプテンアメリカ国家や政治と向き合わなくてはならず、それでいて「アメリカ最高!」という価値観も背負わなくてはならなかったためか、第一作で変にコミカルな描き方をしたため、つまらないとは言わないが、なんだか映画としてぼんやりした作品になっていた。その評価もあってか、いかにも派手そうなアイアンマンや、ファンタジーなソーと比べて、自分の周りではスルーしている人も多かった。

個人的にはMCUのフェーズ3やフェーズ4の面白さは、製作陣がこの「キャプテンアメリカ/ウィンターソルジャー」で、自分たちらしい面白さを「掴んだから」ではないかと踏んでいる。なんならこの辺からMCU全体の映画としての本格度がグッと上がっているのである。それまでも設計はされているとは思うのだが、歯車が噛み合った感じがある。

正義……それこそテロのためだったら何らかの組織や国家が自分たちのデータを盗み見るのはしょうがない。正義……のためだったら、AIが将来危険な行動をすると判断したら「可能性」がある人に先制攻撃しても良い。でも、その正義って本当に正義なんでしたっけ?何を持って正義なんでしたっけ?という、私たちの生活の中で現実に起きていることをリアルタイムに扱って、スクリーンのこちら側にスリリングなメッセージを投げかけている。「世界には私たちが必要でしょ」というラストのセリフには、スーパーヒーローたちのいない現実の私たちはどうしたら良いの!?と、ゾッとさせられてしまうのだ。

私は「MCUどこから観て良いかわからなくて」という人には、「修行と思ってキャプテンアメリカを観て、それからウィンターソルジャーを観て、自分に合うか判断してみて」と勧めている。

ドラコ