「前作よりド派手&大味な神々の争い」マイティ・ソー ダーク・ワールド 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
前作よりド派手&大味な神々の争い
『アベンジャーズ』メンバーの中でも反則級の強さを誇る
戦神ソーの活躍を描く『マイティ・ソー』続編が登場。
* * *
バトルシーンは前作より倍増しているし、冒頭の大戦闘や
クライマックスのグリニッジ天文台大破壊など
大掛かりな見せ場もてんこ盛り!
空飛ぶハンマー・ムニャムニャも大活躍だ!
今回最大の驚きだったソーとロキとの共闘にはワクワクしたし、
ロキが母を想う気持ちや、体を張ってソーを救おうとする姿にも
目頭が熱くなった。
ヒロイン・ジェーンとの再会や、彼女がソーの故郷アスガルドを
訪れる展開にもひと安心。お母様にも認められたようですし。
その他科学者メンバーのトボけっぷりにも磨きがかかり、
上映時間の約100分間、しっかり楽しませてくれる。
だけど……
本作、前作以上に展開が大味になってる気がするなあ……。
良く言い換えれば『前作より豪快!』と言える訳ですが。
* * *
だって、そもそも……
『9つもあるパラレルワールドの中でスーパーヒーローの恋人が
ロンドンの廃墟で地元の子ども達がたまたま見つけた次元の穴の
ひとつに飛び込んで辺境の惑星の隅っこに隠された秘密兵器
(しかも彼氏と因縁のある相手の兵器)を見つけてしまう確率』
ってどれくらいよ(笑)。
そりゃスーパーヒーローものに理屈を持ち込んでもしようが
ないんだけど、『アベンジャーズ』関連作の中でも ここまで
都合の良い展開ってのはなかなかお目にかかれない気が。
最後のバトルシーンもパラレルワールドをポンポン移動しながら
のハチャメチャ具合が楽しいのだけれど(なんか『ジャンパー』
っぽい)、ダークエルフやソーも予測不能の次元の穴に
ピンチを救われるのはちょっと。
あと、最後の次元の穴だけデカくない?
オチのドンデン返し(?)にしたって、
まあ後々のシリーズ展開を考えての事だとは思うが、あれだけ
話を盛り上げといてロキ生還ってのもなはんか釈然としないし、
そもそもサー・アンソニー・ホプキンス様はどこ行ったオイ。
なんか今回のホプキンス様、心無しか威厳ややる気が減ってる気がする。
お歳を召したせいもあるんだろうが、どうも扱いが雑な気が。
ソーの戦友たちも、前作よりさらに存在感減っちゃってるしなあ。
* * *
前作はアクション面では物足りなかったが、粗暴なソーが
どんどん成長していく姿や、まるでシェイクスピア劇のような
父と息子兄弟の愛憎が描かれている点が好きだった。
今回はアクション面では大幅にパワーアップしているが……
ドラマやキャラの深みが一気に失われたように思えて残念。
ド派手で楽しくはあるんだけどね。
前作より一段階落として3.5判定で。
〈2014.02.01鑑賞〉
.
.
.
余談:
今回エンドロール後の映像が2つあったが、
あれって順序逆の方が良いんじゃないかと思う。
結構な数のお客さんが最初のエンドロール後映像で
帰ってしまっておりました。
『マイティ・ソー』のオチは後の方なのに。
ただでさえ顔が濃いのに特殊メイクでさらに濃くなった
ベニチオ・デル・トロの顔を観て、皆さんお腹いっぱいに
なってしまったのだろうか(←コラ)。
あと自分で書いててナンだが、
『最初のエンドロール後映像』って何だ(笑)。
こんばんわ。
コメントありがとうございます。
遂に観られたのですね。
私はこの作品を心待ちにしてたので
ちょっと点が甘くなってしまいました。
最後の映像はおいおいヾ(^^ )でしたね。
わかるなあ。
浮遊きびなごさんのレビューは私と
感覚が割と同じでいつも楽しみです。