四十九日のレシピのレビュー・感想・評価
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浮気夫と独善伯母を巡る諸要素で損している
妊活中に夫が浮気相手を孕ませたことで実家に帰った百合子(永作博美)と、後妻の乙美を亡くし意気消沈の父・良平(石橋蓮司)を中心に物語は進む。百合子は先妻の子で、乙美と共に「出産経験のない女」。終盤、乙美の空白だらけの人生年表に象徴させたように、「子を産まない女性の人生は幸福か」という命題を突きつける。
百合子の傷心と良平の喪失を癒すのは、乙美が遺した暮らしのレシピと在りし日の記憶、そして乙美の命(めい)を受け家事手伝いにやってきた井本の存在だ。井本はいわば乙美の代理として(窓ガラスに書いたIMOTOを逆から見るとOTOMIという明白な示唆)、2人の再生を促していく。
概ね好感が持てる内容だが、生まれてくる子も妻も大事という優柔不断な夫と、産まない女を全否定しながら突如キャラ変して宴会を盛り上げる伯母の人格に現実味が乏しく、話を劇的にすべく創作された嘘臭さが鼻につくのが惜しい。
アロハ・オエ♥
我が母には母がいない。
だから、すごく良い人だった。
我が亡父は、声のよく通るこの映画の父親のようだった。
勿論、声だけでなく横暴な奴だった。母はその父に耐えて、僕達を育ててくれた。
まぁ、血が繋がっていたからね。この映画の子供の様にタダをこねると、布団たたきでミミズ腫れになるくらいお仕置きを受けたけどね。現代で言えば、虐待母親なのかなぁ?でも、優しく良い人だった。(そんな事言うとマザコンって思われるかなぁ)
だから、この主人公の毅然とした態度は納得が行く。
従って、
主人公のとった結論も納得が行くし、現実ではあり得ない。
この主人公も実母を早く亡くしている。
良い人なんだろうなぁ…
『新しい人生を考えろ』と言う父親の言葉に対して『そんなものはない』ってユリちゃんは思ったと僕は確信した。
追記
まぁ、現実から目を背けて、たまにはみんなで騒ごうや。泣き寝入りして、敵前逃亡しない事さ。現実で言えば民事がある。
残念なのは、この母親は70歳で亡くなっている様だ。あと、5年生きれば10万円貰えたのにね♥
こんな弔い方も悪くないかな・・・
初めての鑑賞
出版当時、小説を読んだ
こんな弔い方も悪くないと思う
実際には反対されるだろうけど
後妻に先立たれた夫
継母を亡くした娘
そこに現れた、井本という謎の女の子
井本は、他界した乙美に頼まれ、身の回りの整理と
四十九日までの準備をするという
自分はこういう話は好きでもう少し高い評価をつけたかったのだが
他の方のレビューにもあるように
最後の叔母のフラダンスが訳わかず
大宴会のラストを不鮮明にしてる
あれがなければ星4.5だった
余談だが
謎の少女のイモは
映画ではブリブリ・コスプレのゴスロリ少女だが
小説では日焼けに金髪のギャルでした(笑
悪いところと、良いところが、極端に半端ない
二階堂ふみと岡田将生の演技が、凄い。
原田泰造の役が、酷過ぎて。
子のいない人でも素晴らしい、こともあり、子がいても酷い、こともある、比喩なんだろうけど、後味が悪いな。
不倫で子どもを作り、それを捨てて、ハツピーエンドとはね、いやはや。
でも、二階堂ふみと岡田将生を観てるだけでも、観る価値有りです。
素敵
最後、百合子の夫(原田泰造)が戻ってくるところでウルッときました。
ナヨナヨして情けない男だけど、良かった!
あとは、物語の中で何回か出てくる川。川についての名言もありました(^_^)
タイトルに"レシピ"とあるので、もっと料理について出てくると思ったらそこまででした。"四十九日のレシピ"と"暮らしのレシピ"ももっと見たかったな!
どのイラストレーターさんが描いたんでしょう?見たことあるような気もしますが…
俳優陣については、二階堂ふみちゃんカワイイ!!!実は二階堂ふみ目的で見たので、満足です。ダークで狂った役もよかったですが、やっぱふみちゃんはこういう可愛い役が好き(^_^)!
岡田将生もかっこいよかったけど、やっぱブラジル人は………どうなんでしょう
迷ったら川に来るといいよ、答えが見つかるから。
映画「四十九日のレシピ」(タナダユキ監督)から。
ストーリーとは、ちょっと外れるけれど、
川に関する話が、私のアンテナに引っ掛かった。
永作博美さん演じる主人公・百合子が小さい頃、
ママ母・乙美さんに連れられ川へ行き、母から話を聴かされる。
「百合ちゃん、迷ったら川に来るといいよ、答えが見つかるから。
川はね、いろんなもの、全部の境目なの。
どっちにしようか、行こうか、戻ろうか、迷う気持ちを水に流して、
前に進ませてくれるのよ」
この感覚、なかなか理解しにくいかもしれないが、
毎日、清流の川を眺めながら通勤している私にとっては、
心にストンと落ちた表現だった。
前日までのモヤモヤも、しばらく川を眺めていると消えていく、
何かの判断に迷った時、その流れの速さに呼吸を合わせていると、
す〜っと、答えがみつかることも、実体験として知っている。
だから、こんな感覚で川を眺めている人が私以外にもいたなんて、
と嬉しくなった。
こればかりは理屈でもないし、ちゃんとした根拠があるわけではない。
ただ、じっと川を眺めていると、心が落ち着き、迷う気持ちがなくなる。
それだけのことなんだけど・・。
こんな台詞もあった。「川のそばの家、いい家よ。亡くなった人たちが、
その川の向こうから私たちを見守ってくれているんだもの」
う〜ん、なんだかわかる気がするなぁ。
真っ白な年表(人生)なんて無い
タイトルに“レシピ”とあるから料理がキーとなる映画かなと思ったら、そうではなかった。
妻を亡くし意気消沈の良平の下に、亡妻を知るフリフリお洋服の少女イモがやって来て、面倒を見る。さらに、夫の浮気で離婚を決意した娘・百合子も戻って来て…。
“レシピ”とは、亡妻・乙美が遺した家族再生の手作りレシピ本。
タナダユキ監督が、心に傷を負った家族が新たな一歩を踏み出すまでを温かく描く。
レシピに書いてあるのは、四十九日に大宴会を開いてほしいという望みや、料理や掃除の仕方。
良平にとっては妻の存在、百合子にとっては母の愛、居なくなって改めて痛感する。
百合子と乙美は実の母娘ではない。父の再婚相手。
小さい頃は馴染めず、今は後悔している事もあるが、二人には共通点も。
婚期が遅くなった乙美は子供を産まなかった。
百合子も子宝に恵まれなかった。(これが夫の浮気と離婚の原因)
四十九日の大宴会で、乙美の年表を作る事に。
が、乙美の年表は真っ白。
子供を産まなかった女の人生は真っ白なのか…?
大宴会当日、乙美を知る人慕う人が続々やって来て、年表に思い出を書き込んでいく。どれも他愛のない出来事だけど、みるみる埋まっていく。
映画の中で、「子供を産んだ女が必ずいい母親になる訳じゃない」という台詞があった。
乙美は子供を産まなかったけど、良き妻、そして良き母だった。
百合子も子宝に恵まれなかったが、おそらく良き母になっただろう。それを思わせるシーンもある。
自分の年表が真っ白になる事なんてない。
永作博美は安定感のある好演。
石橋蓮司も不器用な父を好演。地声がデカくておっかない雰囲気だが、妻が遺したレシピを見ながら掃除をするシーンは何だか可愛らしい(笑)
原田泰造もすっかり俳優だ。
故・淡路恵子はズケズケ物を言う伯母がハマり過ぎ。その存在感に、改めて合掌。
キャストで特に印象残るのは、イモ役の二階堂ふみ。
まるで秋葉原に居そうな女の子だが、実は不幸な背景。それを天真爛漫な明るさとキュートさで多い隠し、映画にもいいスパイスとなっている。
毎回毎回印象が変わり、同世代屈指のカメレオン女優!
日系ブラジル三世の青年役の岡田将生はちょっと無理が…??
そして、乙美役の荻野友里に触れずにはいられない。
全く知らない女優だったが、その優しい笑顔と温かな雰囲気は忘れられない。
繋がる温もり。
原作は未読だが、NHKドラマを観ていたので内容は知っていた。
もう一度映画版で観たくなったのは監督がタナダユキだったから。
この風変わりな感動作をどんな味付けにするのか楽しみだったが…
観終えて、ん??あれっ??
これ、タナダユキか…?と思うほどにアッサリとした演出が続いて、
個人的にはとても意外だった。
もともといい話なので悪くはないが、監督作としてはやや期待外れ。
そんな感じで劇場をあとにした。
今作のレビューの幾つかにも書かれていたけど、
乙美の若い頃を演じた荻野友里の演技がピカイチだった。婚期を
逃し、子持ちの頑固な男に嫁ぐという苦難をひたすら健気に支え、
自分に懐かない子供をあやし、最期までいい「おっか」だった乙美。
そんな乙美が残したレシピを元に物語が展開していくのだが、
やはり乙美のキャラクター(のちに年表で第二の感動が迫るせいか)
表現自体を少なめに…ということだったのか、あまりに素っ気ない。
乙美の喜びや悲しみは、遺された可愛いイラストのレシピに登場、
良平と百合子を温もりの境地へと導く。
気になったのは(原作通りなのだろうが)
子供のいない女性は…という表現がやたらに多いことである。
子持ちには到底分からない苦しみが描かれているのが分かるが、
そのことばかりにとり憑かれている主人公が見るからに不幸で辛い。
女に生まれたからには…とはいっても、そこは各々の人生や運命が
多分に作用する。子供を虐待死させるような家庭に、どうして子供が
次々とできてしまうのか、という矛盾さえ浮かんで苦しくなる。
しかし本作では血の繋がり以上に、繋がり合おうとする人間同士が
互いに手を携えて物事をやり遂げる前向きな姿が胸を打つ。
完璧な人生なんてどこにもない。過去を変えることなんてできない。
ならばこれからの人生をどう生きよう。そこなんだよ、と納得できる。
(頑張れ!遺された家族たち。若者たち。おっかが見守っているよ)
いい映画ですよ
永作が最後元の旦那のところに帰るんだけど、彼女は旦那の浮気相
手の女性と子供ごと受け入れるんだろうね。
子供 血のつながり DNAっていうのは生物学的には重要なんだけど、ほどほどだと思う。
気持ちが楽になって、人に対して優しくなれる映画です。
あのブラジル人役の俳優もいんだけど、本物使ってほしかったかな。
イモはなんていい演技なんでしょう。素晴らしい。
泣きまくりました
私自身仕事やプライベートがうまくいかず悩みが多く、母を亡くした父がいます。
頑固でチャーミングなうちの父が主人公の父親に重なり、感情移入しまくってしまいました。
不倫した旦那に怒る父、「大事に育てた娘だからよろしく頼む」と頭を下げる姿、車のミラー越しに小さく写る父親…不器用ながら娘への愛情がどのシーンからも伝わってきてみていてとても切なかったです。
私も自分の父親のためにも前向きに生きて幸せにならなければと思いました。
四十九日レシピは義母の遺言状
前にテレビで放送された作品なので、仕上がりがどうなっているか興味ありました。死に直面した義母が出会った人々との思い出のレシピで盛大に四十九日をして欲しくてしかけたもので、その心を汲んで集まった人々が個人の年表作ったり(テレビでもそのシーンはありました)料理を作ったりアロハを踊ったりにぎやかに楽しんで明るい映画です。主人公の旦那さんが不倫して子供を作って悩んで帰って来た訳ですが、結局、旦那さんが迎えに来た場面は無理やりの感があります。私事ですが、2年前に亡くなった主人が料理作りが好きで、亡くなった後に台所の片隅に手書きのレシピを見つけた時は涙が止まりませんでした。遺言状みたいでした。
二階堂ふみと岡田将生ファンにはお勧めだけれど、何だか腑に落ちない作品でした
ちょっぴり乱暴な言い方をすれば、この映画のテーマとは早い話が、人間誰しも、結局ただ飯は食わないと言う事なのだろうか。
どんなに、他人からは無意味に見える人生であろうと、決して誰の役にも立っていない様に見える人でも、必ず誰かの役にたっていて、人間はみんなそれぞれが、自己の人生を立派に生きているのだと言う事なのだろうか?
そして、家族の繋がりは血縁関係ばかりではなく、女性は子育てだけが、努めではないと言う事を描いているのだろうか?観ていて良い映画で、何となく言いたい事は分かるのだけれども、どうしても淡々と、同じテンポで盛り上がり無く、2時間以上描いていくのは、本当に意味があったのだろうか?
制作者側は、エピソードを沢山盛り込んで、登場人物を丁寧に描いていきたいと言う気持ちは理解出来る。
だけれども、どうしても単調なエピソードの連続で、笑いでごまかされた気がしたのだ。このテーマでシリアスな2時間を越えるこの作品も、私は個人的には正直苦痛だと思う。
淡路恵子演じる、ヒロインの叔母が語る、世間一般で言う、常識的な人間とは、結婚し、出産し子育てをしていくのが、人間の役目であると信じて疑わない。
子供を作らない人達がいる、或いは子供が産めない女性を責める、女性って一体何者だろうか?
現実には、こう言う発言をする人も、少しはいるかも知れないけれども、2013年の今これか?
日本の少子化は深刻かも知れないが、子供が出来ない女性を描くのにこれは酷い。
そして、どうにも最後が腑に落ちない。
本作監督のタナダユキ作品で、丁度昨年の11月に公開された「ふがいない僕は空を見た」は、こちらも大分長尺の映画であったけれども、同じようなテーマであっても非常に良い映画だったと思う。
何故続けて、同じ様なテーマの作品なのか?監督のライフワークなのだろうか?
私なら絶対に、「ふがいない僕は空を見た」を勧めても、この映画は勧めない。
それに、ラストのフーラを踊る淡路恵子の変わり身が不自然で、違和感だけが残る。
何だか、その前の彼女の言った事は何だったのか?と問い正したくなる。
騙された気持ちになった。今迄百合子に感情移入していた気持ちが一機に冷めた。
フーラを49日の法要である大宴会に集まった人達全員で踊るシーンで使われる、「アロハオエ」の歌詞は、とても良い歌詞なのに、何故対訳が無かったのだろうか?
この映画の大切なテーマを伝えていると思うのだが、何だか不思議だ。
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