「人間って本当にバカ、でもだからこそ愛おしい」さまよう獣 シュナイダーさんの映画レビュー(感想・評価)
人間って本当にバカ、でもだからこそ愛おしい
都会から平凡な田舎町にやってきて町の男達を翻弄するこの謎の美女の正体は一体何者なのか、そして物語のオトシドコロはどうするのか・・・その2点に注目しながら鑑賞しましたが、まあ正体に関しては正直ありきたりな感じで特に驚くほどでは無かったと思うのですが、オトシドコロに関してはなるほどそう来ましたかと唸らされた部分がありましたね!
今の時代に合致した「生きること」とは何なのかが終盤にギュッと凝縮されていて、意外と良い映画だったなと思わされてしまいましたよ。
終盤の家の外と中で行われていた「あるコト」の対比的構図がもう本当に最高でした。
ただ、エロ系を期待した方には少々肩透かしだったかもしれません。
見えそうで見えずでしたから・・・(笑)
それにしても、まあ田舎がここまで女に飢えているかと言われればそこまでではない気もするのですが、謎めいたワケあり美女がふらりと現れ住み着いてしまったら、それはやっぱり男だったら気になって夜も眠れませんよね・・・。
山崎真実(キヨミ)・・・劇中の言葉通り、「いやらしい体」の女でした。(肝心なところは見えませんが)
ちょっと疲れた都会の美女って感じで、役どころとしてはピッタリでしたね。
相手によって対応が変わる謎さ加減が絶妙でした。
波岡一喜(マサル)・・・寡黙な婆ちゃんっ子。
毎晩婆ちゃんに晩飯を作るだけで、この男は一体何なのと思いながら見ていましたが・・・なるほど納得。
波岡一喜っぽくない役どころで、ある意味新鮮でした。そして、役得でしたね!
渋川清彦(タツヤ)・・・妙になれなれしいけど気のいいザ・農家のアンちゃん。
確かに毎日スナックに出没してそう(笑)
いかにも渋川清彦って感じの役どころでしたね。
山岸門人(シンジ)・・・文学青年のボンボン。
でも、女には興味がないふりしてその実は・・・って、実際いそうですね、こんな人!
抜群の雰囲気が出ていたと思いました。
森康子(キヌ)・・・優しそうなお婆ちゃん。
何か辛いことがあっても、こんな田舎の婆ちゃんのところでご飯食べて風呂入ってゆっくり休んだら、また頑張れそうな気がしちゃいますね。
田中要次(スナックのマスター)・・・マスター役はお手の物。
やっぱりアッチ系の人だったんですね、でも似合う(笑)
津田寛治(コウジ)・・・とにかくイカレっぷりが半端じゃなかったです。
でも、こんな狂ったイカレ男役が嵌る嵌る!
こう言う男に惚れてしまっては、後が大変ってことですね・・・。
私はキュウリのおしんこはちょっと苦手で、今までほとんど食べないまま人生を過ごしてきてしまいましたが(珍しい人種とよく言われます)、この映画を見たら無性に食べたくなってしまいました!