「秋元クソ企画を、監督は納得の怖い映画にした」クロユリ団地 トコマトマトさんの映画レビュー(感想・評価)
秋元クソ企画を、監督は納得の怖い映画にした
6月某日、錦糸町楽天地で鑑賞。
団地で事故死した少年(就学前だから幼児)の霊が、その団地に引っ越してきた人を襲う…という物語。
実に、陳腐な内容だ。企画は秋元康大センセイなのだから、その陳腐ぶりはお約束だろう。そういった内容だからこそ、大衆を動員もできる、と。
下手な監督なら、そのチープな世界をうまく表現しきれないと思うが、さすが中田秀夫監督である。だてに東大出てはいない。
日本のホラーに欠かせないのは、闇と子供と女性の長い黒髪。そこに滴り落ちる水気…汁系だったり、井戸だったりが加わるのが怖い。パターンはいろいろだが。
本作では、子供と闇の暗さで勝負していたね。
死にかけた(死んだ)ているじいさんを、名優・高橋昌也がそのまんまの存在感で演じているのはご愛嬌。
古びた集合住宅、登場人物それぞれが抱えた枷(かせ)など舞台道具がそろい、きちっと描かれ、怖さを増しているのは中田監督の力量。
同じホラーながら、昨年公開された「貞子3D」のずさんさに比べると、100倍いいね。
見る人を怖がらせて終わりでないのが、日本のホラーの魅力だろう。以前のブームは冷えたものの、やはりこういう安定した作品が出てくるのはうれしい。
にして、この続編ができるんだって?
それはそれで面白い作品にはなるんだろうけど、中田監督はそれでいいのかな…。
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