ゼロ・ダーク・サーティのレビュー・感想・評価
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テロ戦争の現実を直視
9.11の映像とそれに続く拷問シーンから始まるこの映画は、日本人の我々が知らないテロ戦争の最前線の現実を事実に沿って忠実に再現している。あのオサマ・ビン・ラディンを追い詰めたのがうら若い女性のCIA分析官だという意外感も手伝って、その後の息をつかせぬ展開にぐいぐい引き込まれてゆく。
現実を直視させるその説得力とビグロー監督の手腕に圧倒される。この映画に余計な感想や評論は無用だ。
迫真を体感。
ビグローの追うもの
アルジェリアの人質事件のように、中東・アフリカの爆弾テロも
他人事だとは考えられないようになってきた。
アメリカ9.11事件に端を発したアメリカと中東アルカイダの暗闘を
描いた作品であるが、なんともやりきれない気分になった。
幕開けは、9.11の被害者の言葉の録音テープだろう。
これで怨念に火をつける。
その犯行の首謀者ビンラディンを追うドラマがはじまる。
追跡劇といってもカッコいいもでは全然ない。
それは拷問であり、情報のだましあいだし、同僚の死である。
それでも、いや、だからこそ追跡するのだろう。
自分が自分でなくなる、訳もわからないまま、ただひたすら追うのだ。
キャサリン・ビグロー監督は前作「ハート・ロッカー」でも、
善悪を問うことはなかった、事実を描いていった。
なるべくその心情も出さないようにしていた。
この作品でも同じだろう。その代わり、より綿密な取材と、
その情報による事実を映像にしていく、積み重ねていく。
正義とはなにか?
そんなものは神のみぞ知る。
人間とはこんなに不完全なものであるということを
僕らの目の前に突きつけてられたような気がした。
目的を達成した後、流したエマの涙はなにを意味するのか?
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