「常にそこには人間がいる」ゼロ・ダーク・サーティ mayoneさんの映画レビュー(感想・評価)
常にそこには人間がいる
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最初の拷問場面で、ちょっと気分悪くなりました。
でも、CIAの人も仕事だからやっている。
あの拷問部屋を離れれば、普通の人になる。
どちらの側にも憎しみがある。
同胞を殺される痛み、そこから生まれる憎しみ、
復讐のループができてしまう。
でも、そこから逃れる方法がみつからない。
テロを止めるには。悪いやつを殺さなければならない。
主人公はその信念だけを頼りに執拗にビンラディンを
追いつめていった。
拷問は倫理的に間違っている、
何も殺すことはないじゃないか
と非難することは簡単かもしれないけれど、
あそこで人を殺してでも目的を完遂しようとする人々は
そんなことわかった上でやっている。
その救いようのなさ、悲しさが画面から滲む。
目的を達した後も、結局は何も得られないのだと
最後のマヤの涙が語っている気がします。
これは、反戦だし、反暴力映画だと私は思いました。
秀逸です。
答えはないけれど
見て、自分が何を感じるか
噛みしめたい映画だな。
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