「世界は変わるのか、彼女はどこへ行くのか」ゼロ・ダーク・サーティ αさんの映画レビュー(感想・評価)
世界は変わるのか、彼女はどこへ行くのか
クリックして本文を読む
最後の突入作戦のところは緊迫感ありすぎて、見終わってグッタリ。もちろん、本物の映画をみたなという疲労感ですが。
どこまで本当なのか……本当だとして主人公の女性分析官も実在の人物なわけで、あの後どうなったのか……いま何を持っているのかと考えてしまうと、なんとも筆舌に尽くしがたい。
最後「どこに行くんだ?」と問われた彼女がなにも答えずに終わるラストシーンが非常に印象的で、余計にそう感じさせられました。緊張は強いられる作品ですけど、終わったあとはむなしさもあったり。
おりしも現実社会ではアルジェリアで人質事件が起こり、あれも結局はアルカイダ系組織の犯行なわけで、ビンラディンを捕まえても世界は簡単には変わらなかった。そう思うと、なんだか主人公の執念の結果がなにをもたらしたのだろうと考えてしまいますね。
主人公がなぜそこまで執念をもってビンラディンを追うのか…その詳しい動機は説明されませんし、マヤという人間のバックボーンも、映画冒頭で赴任してきたときに「若いけど優秀らしい」と言われているくらいしか観客にも情報がない。
でも、そうした余計なドラマが付け加えていられないのが逆にリアルで、彼女は何を思っているのだろう、どうするのだろう…と思って思わず見入ってしまいます。
コメントする