劇場公開日 2013年2月15日

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「ビグローの追うもの」ゼロ・ダーク・サーティ xtc4241さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ビグローの追うもの

2013年2月8日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

怖い

難しい

アルジェリアの人質事件のように、中東・アフリカの爆弾テロも
他人事だとは考えられないようになってきた。
アメリカ9.11事件に端を発したアメリカと中東アルカイダの暗闘を
描いた作品であるが、なんともやりきれない気分になった。

幕開けは、9.11の被害者の言葉の録音テープだろう。
これで怨念に火をつける。
その犯行の首謀者ビンラディンを追うドラマがはじまる。
追跡劇といってもカッコいいもでは全然ない。
それは拷問であり、情報のだましあいだし、同僚の死である。
それでも、いや、だからこそ追跡するのだろう。
自分が自分でなくなる、訳もわからないまま、ただひたすら追うのだ。

キャサリン・ビグロー監督は前作「ハート・ロッカー」でも、
善悪を問うことはなかった、事実を描いていった。
なるべくその心情も出さないようにしていた。
この作品でも同じだろう。その代わり、より綿密な取材と、
その情報による事実を映像にしていく、積み重ねていく。

正義とはなにか?
そんなものは神のみぞ知る。
人間とはこんなに不完全なものであるということを
僕らの目の前に突きつけてられたような気がした。

目的を達成した後、流したエマの涙はなにを意味するのか?

xtc4241