「ビン・ラディンが潜んでいた豪邸をネイビー・シールズが襲撃するシーンの緊迫感、リアル感に戦慄した作品。」ゼロ・ダーク・サーティ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
ビン・ラディンが潜んでいた豪邸をネイビー・シールズが襲撃するシーンの緊迫感、リアル感に戦慄した作品。
序盤、CIA局員に扮するジェイソン・クラークがタリバン戦士を水攻めにする拷問シーンで、キャスリン・ビグロー監督が腹を括ってこの作品を作ろうとした想いが伝わる。(何故なら、あのシーンはジュネーブ第3条約遵守に抵触するであろうから。そしてそれはアメリカの3.11に対する報復の思いの強さを描いているから)そして、拷問する側の精神が壊れる様もビグローはきちんと描き出す。
CIA女性分析官マヤを演じるジェシカ・チャスティンの冷徹な表情と、上司に対しても物おじせず、言動で上層部の動きの遅さを表現する姿を観て、ジェシカ・チャスティンの凄さを知った。同僚が自爆テロに巻き込まれる辛い経験をしながら、”砂漠の中の石を探し出す”と言われていたビン・ラディン捜索を執拗に続けるマヤ。
ついに、ビン・ラディンが潜んでいると思われる邸宅を突き止める所から物語の加速度は増す。信頼出来るのかと問いただす上層部とのやりとり。60%と答える上官たちに対し、”100%確実”と決然と言い切るマヤ。
そして、ステルス型ブラックホークプリンス2機がネイビーシールズの精鋭部隊を乗せ邸宅へ静かに向かう。緊張感Maxである。
邸宅侵入後の映像が凄い。仄かな光でも撮影できるデジタル・カメラに暗視用レンズを装着した映像の中で繰り広げられる光景。秒単位で進行し、仕留め
撤退する精鋭部隊。凄すぎる映像である。
シールズ隊員を演じたジョエル・エドガートン出世作でもあるし、矢張りジェシカ・チャスティンの役者としての凄さが全世界に知れ渡った作品であろう。必見である。
<2013年2月15日 劇場にて鑑賞>
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