劇場公開日 2013年11月2日

「痛い、切ない、やるせない」ばしゃ馬さんとビッグマウス シュナイダーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5痛い、切ない、やるせない

2013年11月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

悲しい

ちょっと変わったラブコメか、ちょっと変わったサクセス物ぐらいと思って鑑賞したのですが、さすがは吉田恵輔監督作品・・・良い意味で期待を裏切ってくれました!
やはりありきたりなモノは作りませんね。
何とも言えない痛み、苦味が、たまらなくツボでした。

まあ私も現実を知らなかった頃は、主人公達のように自分は夢が叶う側なんだと信じ込んで生きていました。
しかし、想像以上に厳しい、それが現実・・・。

夢が叶う人なんてほんのひと握り。
当たり前ですが、夢が叶った人の何十、何百、何千倍もの人が夢を諦めているんですよね。
なかなかシナリオ通りには進まないのが人生。
でも、まあ人は弱い生き物ですが、挫折や苦味や痛みを知って、ちょっとずつ強くなり成長していくのでしょうね・・・。

麻生久美子(馬淵みち代)・・・まさしくこれぞばしゃ馬さん。
夢に向かって猪突猛進、でも、痛い、痛すぎる女でした・・・。
これは麻生久美子にしか出来ない演技でしたね。
本当に格好悪かったけど、ちょっと成長したラストは妙に格好良かった!

安田章大(天童義美)・・・某演歌歌手を想像させる名前だけで既にツボ(笑)
最初はイラっとしましたが、後半の演技は本当に素晴らしかったです。
関ジャニのポテンシャル恐るべし。
まあ映画レビュアーをしている我々のような人種は、皆天童的なところがあったりしますよね・・・。

岡田義徳(松尾)・・・緩急付けた演技はお見事の一言。
後悔はあるけれど、皆彼のように現実を生きるのがやっぱり実情ですよね。

山田真歩(マツモトキヨコ)・・・ドラッグストア的な名前が妙にツボ(笑)
彼女とみち代の関係を見ていると、女って本当に難しい生き物だなとつくづく・・・。

清水優(天童の親友)・・・典型的な親友役だったのでほとんど印象には残らずでしたが、妙に顔のインパクトだけはありましたね。
この顔は他の映画でも何度か見かけたはずなのに、何故か名前を見てもピンと来ない・・・。

岸田リナ・岸田エリコ(双子姉妹)・・・なかなかの美人姉妹だったのに、出番が少なくてちょっと残念。
どっちが姉でどっちが妹か、判別不能。

秋野暢子(天童の母)・・・昔は大変だったかもしれないけど、いい母親じゃないの!
天童母子のやりとりを見ていたら、ちょっとホロッとしそうになりました・・・。

松金よね子・井上順(みち代の両親)・・・ザ・娘を心配する田舎の両親って感じでしたね。
お・世・話・に・なりました。

盛り上がりそうで盛り上がらない地味なストーリーでしたので、好みは分かれると思いますが、人生の痛みを知っている方ならば、ツボに嵌る可能性大だと思いますよ!
ただ、今現在夢を追いかけている方には、あまり薦められない作品かも・・・。

シュナイダー