劇場公開日 2013年5月11日

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「待ってたぜ、調査再開!」探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0待ってたぜ、調査再開!

2013年6月14日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

楽しい

興奮

探偵“俺”と相棒“高田”、カムバック!

久々の本格ハードボイルド映画として最高に面白かった「探偵はBARにいる」の待望の続編!
続編らしく、アクションもユーモアもお色気も前作増し。サービス精神過剰なくらい。
探偵=大泉洋と高田=松田龍平の名コンビぶりもますます脂が乗り、ちょっとしたやり取りもニヤリとさせ、格好良さを感じさせる。
前作から引き続き登場の面々やお約束事もきちんと踏まえ、まだ2作目ながら、この定番は安心して楽しめる。

探偵と高田の二人に加わるのは、原作には登場しないオリジナルヒロイン・弓子。
巷で人気の美人バイオリニストで、口を開ければ関西弁で食ってかかる。そのギャップと、三人の掛け合いは絶妙。
今引っ張りだこの女優・尾野真千子の魅力と言えよう。

前作は本格ハードボイルド・ミステリーの醍醐味充分だったが、今回は謎解きの要素がちょっと弱い。
事件の真相も真犯人も唐突で呆気ない。(真犯人のクズゲスっぷりは探偵と同じく本当に憤りを感じるが)
それでも飽きさせないのは、作品の楽しさと面白さ、根底にある真面目さだろう。

優しい心を持ちながらも無情に殺されたマサコちゃんは悲しい。(ゴリが好演)
“一番の応援者”だったマサコちゃんの為に行動を起こす弓子の秘めたる過去。
かつてマサコちゃんと関係があり、事件に絡む橡脇の政治家としての利権と立場、一人の人間としての葛藤。
橡脇とマサコちゃんの関係をもみ消そうとする政界の傲慢。
それら様々な思惑と愛憎が波紋を広げ、副題の“大交差点”さながら交錯する。
そんな交差点に翻弄されながらも、金や脅迫に屈せず、熱い正義感で亡くなった友の為に真相を追い求め、身を犠牲にしてまで依頼人を守る探偵の姿にしびれた。

今回も満足。
ユーモアと格好良さと哀しみが交えるこの作品世界がやっぱり好きだ。
第3弾の製作も決定したとか。また探偵と高田に会えるのは何とも嬉しい。心待ち!

近大