「苦悩トラウマ隊G。」ガッチャマン ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
苦悩トラウマ隊G。
何も実写版にしなくても、と思うアニメの名作ばかり作られる。
これも言わずと知れた名作中の問題作。
見たことない人でもテーマソング「誰だ!、誰だ!、誰だ~っ!」は
おそらく聴いたことがあるだろうと思う。
しかしこの歌を思い起こすと、子門真人は今どうしているんだろうと
そればかりが浮かんでしまう。
オリジナルでコンドルのジョーを演じたささきいさおが現役バリバリで
歌手も声優もこなしているため、あれだけ一世を風靡した子門真人の
生声を今聴いてみたいよなぁ~とつい思ってしまう今日この頃。
これだけテーマ曲が先行しているアニメはもう日本の宝じゃないか。
まぁ実写版と聞いて期待した人もそれほどいないだろうが、
結局そう言われても仕方ないくらい過去にヒットしたアニメなので
いわゆる「宇宙戦艦ヤマト」が実写でメタクソに言われた時と同じで
私も(大変申し訳ないけどアレに関しては)大駄作だと思っているし、
それだけを見てきた中高年ファンとしては仕方がないことなのだ。
今作をとても残念な気持ちで鑑賞したオジサンオバサンは多いだろう。
でもまぁ、今をときめく(?)キャスト陣と、
大幅に現代風(?)に設定を整え、不思議な笑いを散りばめた本作は
あ、こんな感じで5人で戦うお話なのね?くらいなもので
いいんじゃないだろうか。名作はアニメDVDでも見て頂くとして。
ダークな設定にしておきながら、やたらと笑えないお笑いシーンを
取り込んでいる不思議作だが、それなら冒頭劇が一番面白かった。
キャスト陣はおそらく言われたとおりに演技しているだけなので、
面白くならないのは脚本と演出がそういうことなんだろうと思われる。
綾野剛に関しては、ジョーらしさを出そうと頑張ってるな~の印象。
しかし能書きは垂れるくせに大した活躍をしてくれないので(ゴメンね)
これがガッチャマンか!?と思うんだけど、それを言ったらお終いか。
地球を救うヒーローって、昔は悩まずに即行動!していたものよ。
そもそも「戦う意味は…」なんて言ってるうちに、
怪獣(今作だとギャラクター)がきてワ~!ってやられちゃうんだから。
言うより行動。よその艦長を見習いなさい(あ~もうスイマセン他作で)
現代っ子にウケるように恋愛ネタを多く盛り込んだのか、
それしか浮かばなかったのか分からないけれど、なんかそればっかり。
私的には南部博士以外、
何でカークランド博士が光石研なんだ?とかイリヤが獅童ってのもな、
なんて、余計なことばかり考えて観ていた。
初音映莉子は先日も戦争ヒロイン、今作でも戦闘ヒロイン、なのね。
ラストでやっと「科学忍法・火の鳥」が出るには出るんだけど…うーん。
あともうひとつ、ジュンの衣装は、あれじゃドロンジョさまに見える。
(地球はひとつ、地球はひとつ、おーガッチャマ~ン、ガッチャマ~ン!)