「光を放つ星の生死は分からない」インポッシブル everglazeさんの映画レビュー(感想・評価)
光を放つ星の生死は分からない
強迫観念気味の夫、医師で育児休暇中の妻、そして3人の息子達。家族5人、タイで素敵なクリスマスホリデーを過ごす予定が、津波により突如悲劇と化す実話。
序盤は超幸せなホームビデオそのもの。
もし、予定通り3階の部屋で、全員まだ室内に居て、服を着て靴を履いていたら…。
ビーチなので、水着や薄着で裸足の観光客が多く、観ていてヒヤヒヤしましたが、小さな子供達が目立った傷を負わなかったことも奇跡的かなと。
津波と濁流に飲み込まれるシーンがリアルです。金属片や木片と一緒に、泥水で洗濯機に放り込まれたような状態です…。
三男のオシッコ(の絶妙なタイミング(°_°))、父親のダサい水着にめざとく気付く長男、長男の叫び声を聞き分ける弟達。偶然とは言え、子供達の冴えた直感的な本能にも驚きました。
現地の人が、洗濯物カゴからブラウスを取り出し、裸同然のMariaに着せてあげる所。言葉は通じなくても、優しさは通じるなぁと泣けました(T_T)。
父親のとった行動は正しくないかもと思いますが、居ても立っても居られない気持ちもよく分かります。
電池切れを気にしないで使えと携帯を貸してくれる被災者もいれば、シミひとつ付いてない服装でありながら、血だらけの父親に携帯を貸さない観光客も。
奇跡は均等に起こらない。
しかし被災する可能性は誰にでもあり、明日は我が身。
みんなに余裕がない時でも、如何に周囲に気遣えるか、助け合えるか、被災時の難しさを感じました。
ママ!もう1人にしないで!と泣いていた長男Lucasの腕が、最後には逞しくなって母親を抱いていたのが印象的でした。スパイダーマン君、とても良い演技でした。Naomi Wattsの熱演も素晴らしくて引き込まれました。涙、涙、涙です。
最初と最後に、Zurichの宣伝みたいになってしまった点だけは残念。