「求められるのは「躍進」?それとも「温故知新」の精神?」サイド・バイ・サイド フィルムからデジタルシネマへ 平田 一さんの映画レビュー(感想・評価)
求められるのは「躍進」?それとも「温故知新」の精神?
例えばビデオテープが衰退、DVDが躍進しても、古きはただただ淘汰されていく存在なんだろうか?知らない人ももちろん多いが、知ってる人はビデオテープを忘れていないと僕は思うし、昔ビデオに録画していた映像が見つかると、逆に新鮮な存在に見えた事例はそこそこ多い。技術って日進月歩で常時変化を強いられてるし、衰退も発展も避けられないし、止められない。とはいえそれがイコール"滅び"の目印だと言えないし、今のネット配信や映画館の関係も然り。配信がスクリーンを脅かす脅威と批判しても、そんな通俗見解だけで物事って括れない(ここはある意味本編中のデヴィッド・フィンチャーの言葉に通じる)。
『サイド・バイ・サイド』自体はフィルムとデジタルの話だけど、それだけに終わらない広がりが詰まっていたし、ここ数年僕が観たドキュメンタリーではトップ。断トツで面白かったし、非常に頭の良い映画!モノ作りを目指す人なら、通るべき登竜門かと。
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