劇場公開日 2013年6月1日

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「伝記映画として正しいあり方。」はじまりのみち ハンペン男さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0伝記映画として正しいあり方。

2014年1月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

知的

伝記映画としてフォーカスの当て方が素晴らしい。黒澤明と並び評され、昭和の名匠として輝いていた時期ではなく監督を一時辞めてしまっていた不遇の時代に焦点を当て、戦時中というファクターはあるものの単なるお涙頂戴の話にはせず、木下恵介作品の多くに通づる作風の必然性がこの時期に起こった事象として描かれている。最後に木下恵介の代表作がダイジェストで流れ、貼られていた伏線が次々と回収されていく様を見ると、もう感動せずにはいられない。下手に客へ媚を売ることもなく実直に木下恵介への愛と受け継がれた意志を貫いた素晴らしい伝記映画だった。濱田岳の演技や富貴晴美による劇伴も良かった。

ハンペン男