劇場公開日 2013年5月25日

「伝えていく使命感覚える作品」くちづけ クリストフさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0伝えていく使命感覚える作品

2019年9月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

難しい

舞台は「ひまわり荘」のみのセット。
始まりはクリスマス。そこから遡って描かれていくドラマ。
竹中直人初登場シーンでの勘違いネタは如何にも舞台作といった感じ。
春・夏・秋と断片的なシーンは、
もうちょっと説明付けないと成立しないでしょ、とか、
橋本愛の友達役のがさつな所、
宮根のニュースでのおふざけネタとか、
岡本麗の役が説明なさ過ぎとか、突っ込むところはたくさんある。
でも、終始ひたすら顔中濡れました。
序盤は田畑智子の破談話、そこに兄(宅間)の一言に嗚咽。
後半は竹中直人(と他の保護者)と自分の立場が重なって辛い辛い。
ラストも、確かに救いは無かったけど、
約束は果たせた(と思いたい)、悲惨では無かった。
そこにまた号泣と、忙しい話でした。

単純なお涙ちょうだいモノだけでなく、
当事者にしか分からない現実問題も突きつけ、
ただそれには具体的な解決策など無いのだけれど、
観た人全てがどーしたらいいか考える切っ掛けになりうる、
そういった意味で素晴らしい作品だと思います。
竹中と貫地谷の結末に納得いかない人も多いと思うが、
当事者はそこで悩んでます。絶対に。
お巡りさんの話に食って掛かった竹中も、しみじみ観てしまった。

演者も良かった。
特に田畑智子。幸薄い女が似合う女優1位。
麻生祐未。昔より色っぽく見えて寛容なお母さんが素晴らしい。
橋本愛も良かったが、最近いろいろ出すぎで(働き過ぎで)かわいそう。

クリストフ