「伝えていく使命感覚える作品」くちづけ クリストフさんの映画レビュー(感想・評価)
伝えていく使命感覚える作品
舞台は「ひまわり荘」のみのセット。
始まりはクリスマス。そこから遡って描かれていくドラマ。
竹中直人初登場シーンでの勘違いネタは如何にも舞台作といった感じ。
春・夏・秋と断片的なシーンは、
もうちょっと説明付けないと成立しないでしょ、とか、
橋本愛の友達役のがさつな所、
宮根のニュースでのおふざけネタとか、
岡本麗の役が説明なさ過ぎとか、突っ込むところはたくさんある。
でも、終始ひたすら顔中濡れました。
序盤は田畑智子の破談話、そこに兄(宅間)の一言に嗚咽。
後半は竹中直人(と他の保護者)と自分の立場が重なって辛い辛い。
ラストも、確かに救いは無かったけど、
約束は果たせた(と思いたい)、悲惨では無かった。
そこにまた号泣と、忙しい話でした。
単純なお涙ちょうだいモノだけでなく、
当事者にしか分からない現実問題も突きつけ、
ただそれには具体的な解決策など無いのだけれど、
観た人全てがどーしたらいいか考える切っ掛けになりうる、
そういった意味で素晴らしい作品だと思います。
竹中と貫地谷の結末に納得いかない人も多いと思うが、
当事者はそこで悩んでます。絶対に。
お巡りさんの話に食って掛かった竹中も、しみじみ観てしまった。
演者も良かった。
特に田畑智子。幸薄い女が似合う女優1位。
麻生祐未。昔より色っぽく見えて寛容なお母さんが素晴らしい。
橋本愛も良かったが、最近いろいろ出すぎで(働き過ぎで)かわいそう。
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