隠し砦の三悪人のレビュー・感想・評価
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一大冒険活劇にして、最高のエンターテイメントだ。
戦国時代。敗戦の侍大将が、負けん気の強い姫とお家復活の軍資金を伴い、道中で出会った2人の農民を伴って、敵中突破を目指す姿を描いた、冒険活劇。『スター・ウォーズ』に影響を与えたことでも知られる作品ですね。
大胆不敵で堂々たる侍大将と、勝ち気で負けん気が強い姫が、身分を隠したまま、2人の農民との道中を繰り広げるのだが、真剣なドラマとユーモラスなコメディを、絶妙なバランスで見せてくれる。
2人の農民は、決して賢いとは言えず、喧嘩ばかり繰り返すのだが、単なる狂言回しを遥かに超えた、とてもコミカルな存在で、愛すべきキャラクターだ。
1958年公開のクラシカルな映画の中でも、カラッとした雰囲気で、突き抜けた面白さがある。細やかさと大胆さを融合させ、アクションとコメディとドラマが混ざり合った、純粋に楽しめる一大エンターテイメントだ。
黒澤作品としては細部の詰めが甘い
気になるのは脚本の練り込みの粗さ。
特に太平と又七のコンビが一貫性のない性格で、こんにゃくのように態度が変わる。欲深い性格の故と、劇中では語られるが、狂言回しの役割なので、主人公たちの置かれた危機をうまく説明するために、彼らのセリフを当て込んでいるが、ついて来る必然性が薄い。200貫と言えば相当に重いはず。少人数で運べる量ではなく、どこかに隠して、逃げることを優先するのが定石だろう。
関所の通過を解りやすく説明するのも、観客に分からせるための方便で、真壁六郎太ほどの大将であれば、選択肢の一つとして頭にあったはず。太平と又七に気づかされた体裁だが、愛すべき凸凹コンビと強い侍の結団式を、粋なエピソードで見せているが、普通なら二人は逃げ出すだろう。
偶然の要素が重なり過ぎている。
それにしても祭りのシーンは素晴らしい。
三船と藤田進の槍の戦いも見事。練習から、本番まで、かなりの手間がかかっているはずだ。
最後の、獄中で姫が負け惜しみを吐くシーンも素晴らしい。処刑を待つ身でありながら「楽しかった!」と言って、歌を朗じ、それを見た兵衛は自分の主君とのあまりの器の違いに、心中穏やかでない。姫を守り切れなかった六郎太は悔しさで男泣き。このロングショットの長回し。画面に収まっている4人ともが、それぞれの胸中を態度で見せている。奇跡が起きたと言っていいだろう。
娯楽性に大きく舵を切って作られた映画で、展開の少なさの割には尺が長い。確かに面白い作品ではあるが、個人的には「用心棒」「椿三十郎」で、その娯楽性は結実した印象だ。
また、この前の年に「蜘蛛巣城」があるが、ここでもド迫力の矢撃ちのシーンがある。三船敏郎の演技は、文字通り命がけであったろう。
後年、人間の業を描くことで、黒澤の映画はより深みを増していく。個人的には「赤ひげ」ほど魂を揺さぶられた映画も少ないので、どれか一つと言われれば黒澤作品では「赤ひげ」が一番で、この映画は残念ながら好きな黒澤映画の中の一本に過ぎない。
謎の涙
可能なら、日本語字幕ONがおすすめ
「隠し砦の三悪人」1956(羅生門1950と七人の侍1954の後)...
「隠し砦の三悪人」1956(羅生門1950と七人の侍1954の後)
三船の主演アクションなので見にいく 今年シネヌーヴォ九条で見た羅生門に引き続き
あの時三船敏郎に衝撃うけて本まで買ったり満州や秋田出身戦争に従軍したことなど色々特攻くずれとか
・馬に乗ったまま槍で戦う 本当にできるの?怖い 命がけのアクションシーン多い
・歴史場面(城の行くまでの石の階段 祭りは農民の軍事訓練的な農民を集めて築城などする)
・黒澤明の好み 農民祭り面白い
・三船敏郎がもうスターの確固たる地位を築いた後の映画なのかも 役柄がすごく頼れる兄貴になっている 品格のある偉い侍大将の役はまってる
・後世に影響を与えた 砦の場面ゲームのFFのチョコボ思い出した
・ギャグはノリが古く感じられて痛快娯楽活劇という評価だが途中で寝てしまう 二人の百姓はすぐケンカ兄弟げんかのようだ凝りもせず
これはその当時の日本人のノリなのだろうか軽薄植木等とか無責任男は1962年
・お姫様のかっこよさ殿としての魅力的な感じでエンド 心地よく終わった
・コメディができる俳優って貴重だよねできる人とできない人がいるのなぜなのかみんなできないぐらい演技力いるのかしかし三船はできない派かも 百姓コンビが達者な人たちだったバカになりきってて安心して見れた
世界の黒澤面白い!
【時代劇の主役に名もなき農民を据えた作品。後世に及ぼした影響は多大なる作品である。】
■敗軍の将、真壁六郎太(三船敏郎が)、世継ぎの姫と、雪姫と隠されていた軍用金を抱えて敵陣中を突破しようとする。
次々襲い掛かる困難を危機一髪で潜り抜けていくシーンは、迫力たっぷりで爽快感満点である。
■戦国の乱世。山名家と一戦を交え、敗れ去った秋月家の侍大将・真壁六郎太は、世継ぎの雪姫と数名の残党と共に隠し砦にこもった。秋月家再興のため、同盟国である早川領への脱出を計画する。それには敵地を通って早川領へ抜けるほかに道はなく…。
◆感想
・今作の主役は名もなき太平(千秋実)と又七(藤原釜足)である。
ー 今までにない視点である。-
■驚くのは、今作の脚本のレベルの高さであり、三船敏郎の眼力は別格とて、雪姫を演じた上原美佐さんの、眼力及びその魅力であろう。
<今から50以上の前の作品にして、この面白さ。唸るばかりである。>
裏切り御免‼️
胸躍る時代劇!! こんな映画ほかにはない
痛快娯楽エンタテインメント!!!
この作品を元に、ジョージルーカスが「スターウォーズ」を制作したのは
有名だが、初期のスターウォーズを知らない世代の為に、あえて説明する。
この作品の、太平と又七の凸凹コンビをから、スターウォーズC3PO、
R2D2が作られた。 だがスター…の、ロボットで片や人間の言葉が喋れ、
片方は喋れないの掛け合いより、やはり普通の人間の会話の太平と又七
コンビの方が、パフォーマンスで上と見れる。
黒澤映画の痛快娯楽エンタテイメント作品は「七人の侍」が有名だが、
七人…は映画の密度が濃いので、黒澤映画初心者に痛快娯楽作品を
求める人には、この隠し砦…の方をオススメする。
このレビューが、満点が★5つしか無いが、満点が★8つであった場合、
私は満を持して、この作品に★8つを与える!! 日本はおろか、世界中
の映画の中で、★8つを付ける物は、そうそう幾つも無い!!!
THAT's時代劇
1958年。黒澤明監督作品。
三船敏朗主演の時代劇エンターテインメント。
《ミフネは日本で一番乗馬シーンが上手かった》そうです。
手綱を持たずに手放しで馬を走らせる(股で馬を挟んでる?)
そして馬上同士で刀と槍を振り回しての斬り合い。
また、走ってる馬から村娘を右手一本で、引き上げて乗せたまま走らせる!!
神技です。
気持ちイイ!!
この題名の三悪人・・・って誰と誰と誰?
謎ですよね、三船敏朗の真壁六郎太?
百姓の千秋実と藤原鎌足の三人?(悪人とは思えないけど・・・)
STORYは、世継ぎの雪姫(上原美佐)と隠し置いた黄金200貫とともに敵陣を突破して、同盟軍の陣内へ逃亡するまでの脱出劇・・・ロードムービーですね。
金山の洞窟掘りや、黄金運搬にこき使われる百姓の千秋実と藤原鎌足は、
後にジョージ・ルーカスにより「スターウォーズ」のC-3POと、R2-D2にの
モデルになったとか!!
お姫様上原美佐の勇ましさ・・脚の長さ。
百姓二人の、ズッコケぶり。
そしてなんと言っても大将ミフネの格好良さ!!
存分に楽しめました。
日本が世界に誇る娯楽古典
雪姫がかっこいい
誰が悪人?
午前十時の映画祭で、初見。
なんというか、濃いな。すごく濃い映画だった。見て良かった。
雪姫役の上原美佐の短パンから伸びる足のたくましいこと! 姫なのに仁王立ち。姫なのにつりあがった眉。姫なのに馬で山駆け。何という規格外の、生き生きした姫!
三船敏郎の野生味。がっしりした体。全速力で駆ける馬上で、もろ手を上げているだけでもすごいのに、上体がブレない。競馬の騎手になれるね(体重は置いといて)。聞いた話だけど、京都の撮影所では、飼ってる馬を運動させるために、その辺の馬術部の学生にバイト代払って、山の中を駆けさせたらしい。腕前が良くないと山は走れないので、学生にとってもいい練習になるとか。三船敏郎も相当乗ったんでしょうねぇ。
槍試合、火祭りなど、見どころが多い。物語も次から次へと転がっていき、飽きる時間がない。スターウォーズに転用されたそうだが(知らなかった)、他にもたくさん影響を与えてそう。あと、六郎太と兵衛の槍での立ち合いって、まさか本物の、よく切れる槍かな。布がすごい切れてたけど。クロサワ、サドすぎ。そして、エキストラ使いすぎ。
根本的なところがわかってないんだけど、三悪人の3人って誰?
全部乗せ!愉快痛快アクションコメディー時代劇!
イヤ〜〜 面白かったわ!
さすが黒澤!さすが三船!
有名な話、公開順の一番初めの
『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』
のモチーフとなっている作品です。
時代的には応仁の乱の頃でしょうか?権力者同士の領地争いが続く中
百姓でも戦のドサクサで褒美や大金が手に入るかも?と欲だけは深いけど
実際には何にも出来ないダメな2人の男が耳にしたのが、
隣国に攻められて落城した城主の姫が莫大な金を持ったまま、
何処かへ行方を眩ましている。
見つけて捕らえた者や密告した者には褒美が貰える。
この話に飛びつく欲深い二人の前に現れたのは
素性不明のやたらと偉そうで腕っぷしも強そうな1人の男!
さて、この3人の間に何が起きるのか!
コメディーであり、人間の欲深さのドラマでもあり、
乗馬や一騎打ちなどの戦闘アクションでもあり
侍の忠義ものでもあり、
戦国版「ローマの休日」でもあったりします。
全部乗せ!愉快痛快アクションコメディー時代劇!
なので難しく構えず気楽に観てください!
で、月に8回ほど映画館に通う中途半端な映画好きとしては
改めて三船敏郎が外国人に受ける理由が良く解る。
目鼻立ちのはっきりした顔立ちに腹に響く低音、
大きな力強い体躯なのに、動きは軽快で娘っ子一人くらいは
肩に担いで走れるくらいの身体能力の高さ!
画面に現れただけで無条件で主役!
ヒーローでしかない存在感。
言っちゃ悪いが「シャン・チー テン・リングスの伝説」なんか
誰が主役か最初はわからないでしょ!
(あれは普通で居たい人が否応なくヒーローになる話なので
仕方ないか~~)
そんな隠しきれないヒーローオーラを持つ三船と
絵作りに一切、妥協しない黒沢の奇跡のコラボです。
だまされたと思って若い人に見て欲しいです。
痛快、爆笑、かっこいい。涙が出た。
午前10時の映画祭。
実に43年振りに映画館の大画面で鑑賞。
前回は高校生の時、「影武者」制作中で東宝さんがリバイバル公開してくれてたんだと思う。
「用心棒」「椿三十郎」「隠し砦の三悪人」の今では考えられない三本立て。
邦画ってこんなに面白かったんだと一気にはまってしまった。
当時は洋画のパニック映画、今で言うディザスターフィルム全盛期で、邦画は東宝が百恵ちゃん、松竹は寅さん、東映がトラック野郎(ジャッキーチェンの初期の作品はトラック野郎の同時上映でした)、日活はロマンポルノ。唯一角川映画が頑張ってた。
レンタルビデオ店もない時代、名古屋や京都の名画座へ黒澤映画や岡本喜八の映画がかかると電車で片道二時間かけて観に行ったなぁ。懐かしい。
東宝シネスコープのマークにパッパパー、佐藤勝さんのテーマ曲。もうワクワクが止まらない。
加藤武さんの落武者本当に馬に頭蹴られてるし。
群衆シーン、火祭、裏切り御免、六郎太っ!、もちろん三船さんの馬上で両手離して刀構えて、、、
もう次から次へ痺れて涙が出てきた。
かっこいいもの観て涙って出るんだ。
午前10時の映画祭に感謝。
朝、一回だけじゃなくて夜もすればいいのに。
TSUTAYAやGEOともタイアップすればいいのに。
もったいないですよ。
東宝さんも、古い宝物定期的にリバイバル公開してください。
全48件中、1~20件目を表示