「どこでもドアかよ」欲望のバージニア タンバラライさんの映画レビュー(感想・評価)
どこでもドアかよ
まあそんなことはどうでもいいけどね。映画がもう少し面白ければ。全体的に脚本がピンボケしていて何を描きたいのかあまり伝わってこない。その時代の雰囲気を何となく描きたいって言うんじゃ面白い映画にはならないよ。主人公の、それをやらなきゃいけないって思いが伝わってこないと。この主人公、何したかったわけ?全てを失っても残念そうには見えなかったし。ヒーローと主人公の使い分けもうまくいっていない。単にどっちが主人公か分からなくなってしまっているだけ。・・・ゴッドファーザーと、いとしのクレメンタインと、刑事ジョンブックを足して5で割ったような作品になってしまった。
この作品の良かったところは写真の雰囲気だな。こういった昔の時代を表しているような雰囲気のフィルムをずいぶん久しぶりに見たような気がする。まあそういう意味では時代の雰囲気を出すのには成功していた。ただ敵役があまりにも典型的な敵役で、こういうやつが実在していたというリアリティが伝わってこなかったな。奴はどういうバックボーンでこんなに権力があるとか、こんなに威張ることができるんだとか・・・そういうのが欲しかった。だから見ていて主人公がこいつを捕まえて拷問して情報を引き出さないのがもどかしかった。代わりに脚本家に聞いてみたいわ。 Happy End で最後にそれなりの音楽決めて、なんとなく名作的雰囲気を醸し出して終わってる。まあ腹が立つほど悪くはなかったけど、他人にはお勧めできないな。
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