劇場公開日 2013年6月29日

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「権力に屈しない熱い三兄弟がいい!」欲望のバージニア スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0権力に屈しない熱い三兄弟がいい!

2016年2月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

興奮

邦題が微妙だったんで、期待度そこそこぐらいで見たのですが、意外と面白かったです!
まあ物語の焦点がやや曖昧だった部分はちょっとしたマイナス要素でしたが、主人公のボンデュラント3兄弟の生き様、そして復讐劇がとにかく熱くてカッコ良かったですから、禁酒法時代の頃(1930年代)を舞台にした作品が好きな方ならば、十分見て損の無い内容だったと思いましたよ。
豪華キャストだった割に地味な扱いとなってしまったのは、やはり邦題のせいでは?(苦笑)

構図は至ってシンプル、基本的には悪VS悪なんですよね。
でも、生きる為に密造酒製造で生計を立てるしかなかった、そんな時代背景はヒシヒシと伝わってきただけに、どちらが本物の悪党なのかは一目瞭然、舞台となったバージニア州の田舎町も、どうやら密造酒製造者達と保安官がうまいこと折り合いをつけて生きていたようですし、特別補佐官さえ来なければ全ては上手くいっていた・・・けど、この特別補佐官レイクスがとんでもないクズ人間でしたからねぇ、演じたガイ・ピアースのヌメっとした演技がまたこのクズさに拍車をかけて、とことんイラっとさせられるんだわ、これが。

そんな訳で、悪役が物凄い存在感を発揮してましたから、こうなると話は簡単、街の皆がレイクスに屈服する中、ボンデュラント3兄弟だけは己の信念を曲げず(まあ結局それはそれで悪人なんだけど)最後まで抵抗する姿に、熱くさせられるんですよね。
3兄弟のキャラ立ち具合も良い、特にトム・ハーディが演じた次男のフォレストがカッコ良すぎて痺れた~。
女性には奥手だが、悪には容赦なし!

逆にシャイア・ラブーフが演じた三男は、ヘタレなのに前に出ようとしてトラブルを起こす狂言回し的存在だったので、かなりイライラさせられました(苦笑)
でも最後の復讐劇は熱かったぁ、これはやはりガイ・ピアースのムカつき演技あってのものでしょうね。
それと女性陣もジェシカ・チャステインにミア・ワシコウスカと豪華で彩り鮮やか、いいキャスティングでした。
ただゲイリー・オールドマンが演じたギャングのボスの扱いが中途半端だったのはちょっと勿体無かったかな・・・。

スペランカー